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ISO 15765-2、またはISO-TP(Transport Layer)は、CANバスを介してデータパケットを送信するための国際規格である。このプロトコルは、CANフレームの8バイトの最大ペイロード長を超えるメッセージの転送を可能にする。ISO-TPは長いメッセージを複数のフレーム(マルチフレーム)に分割し、個々のフレームの解釈と受信者による完全なメッセージパケットへの再構成を可能にするメタデータを付与する。一つのメッセージパケットについて最大4095バイトのペイロードを搬送できる。
OSI参照モデルでは、ISO-TPはレイヤー3(ネットワーク層)と4(トランスポート層)をカバーする。
ISO-TPの最も一般的な適用例は、KWP2000やUDSを使用したOBD-2搭載車両との診断メッセージの転送であるが、他のアプリケーション固有のCAN実装で広く使用されている。
ISO-TPは、CAN IDのみを使用したアドレス形式(いわゆるNormal Addressing)や、いわゆるExtended Addressingという独自のアドレス形式で操作できる。Extended addressingは、各フレームの最初のデータバイト(0バイト目)をアドレスの追加要素として使用し、アプリケーション層ペイロードを1バイト減らす。簡単のため、以降のプロトコルの説明では8バイトのCANフレームを使用した Normal Addressing に基づいて説明する。ISO 15765-2プロトコルでは、合計で6種類のアドレス形式が利用可能である。
ISO-TPは、8バイトCANフレームのペイロードデータに1バイト以上のメタデータバイトを付加し、ペイロード長を1フレームあたり7バイト以下に削減する。メタデータは、Protocol Control Information(PCI)と呼ばれる。PCIは1~3バイトである。先頭フィールドは、フレームタイプを示す4ビットで、これによりPCI長を特定できる。