MATLAB、Scilab、Scilab、Julia比較ページはこちら
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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その29【対称行列と二次形式①】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その30【対称行列と二次形式②】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その31【対称行列と二次形式③】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その32【対称行列と二次形式④】
を書き直したもの。
正規方程式を導出するための対称行列と二次形式の話。
ロードマップ【再掲】
正規方程式導出までのロードマップを再掲しておく。
対称行列
対称行列というものがある。
対称と言うと左右対称をイメージするかもしれないが、
対称行列は対角に対して対称な行列を指す。
3×3の正方行列で表現すると以下になる。
左上から右下へ斜め方向の要素を指して対角と呼ぶ。
あと、当然ではあるけど、必ず正方行列である。
ちなみに単位行列も対称行列に含まれる。
厳密には、対称行列の対角部以外が0になっているものを対角行列と呼び、
対角行列の対角部が全て1になっているものを単位行列と呼ぶ。
対称行列の性質
そして対称行列の性質を説明する。
これは当たり前と言えば当たり前なのだが、
転置しても値が変化しない。
以下を見るとわかると思う。
対称行列がどこで生きてくるのか?
この対称行列は、二次形式、二次形式の微分、グラム行列で使用する予定。
まずは対称行列というものの存在をしってもらうだけでOK。
二次形式
二次形式とはすべての項の次数が2である多項式のこと。
変数が\(x,y,z\)とあったとして以下な感じのものを指す。
\(
2x^2+y^2+z^2+xy+yz+xz
\)
各変数が自乗含めて2つまで掛ける項だけで構成されてる。
二次形式の一般化
そして、に二次形式を一般化すると以下になる。
\(
\displaystyle \sum_{i,j=1}^n a_{ij}x_i x_j
\)
そして、これをさらにベクトル、行列で表現すると以下になる。
\(
\begin{eqnarray}
\Bigg(
\begin{bmatrix}
a_{11} && a_{12} && \dots && a_{1n} \\
a_{21} && a_{22} && \dots && a_{2n} \\
\vdots && \vdots && \ddots && \vdots \\
a_{n1} && a_{n2} && \dots && a_{nn}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}
\Bigg)^T
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}\\=
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}^T
\begin{bmatrix}
a_{11} && a_{12} && \dots && a_{1n} \\
a_{21} && a_{22} && \dots && a_{2n} \\
\vdots && \vdots && \ddots && \vdots \\
a_{n1} && a_{n2} && \dots && a_{nn}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
\vdots\\
x_n
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)
最終的には以下で表現できる。
\(
x^TAx
\)
行列\(A\)に関しては、二次形式の多項式との可逆性を加味すると
対称行列である必要はあるが、これについては後述する。
ここの段階では、二次形式の多項式を行列で表現しただけで、
行列で表現できるといろいろ計算しやすい。
ってだけ認識できればOK。
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