はじめに
Youtubeチャンネルの方の
視聴者さんからのリクエストで、
「小学生向けの動画シリーズ」というのが来ている。
小学生向けというのは少々門外漢なところはがあり、正直どうすれば良いかわからないが、
小学生で学ぶことを、中学生ではどうなるか、高校生でどうなるか、
って観点で解説したら親子で見れる動画になりそうとは思った。
つまり、
小学生で知ったことを、上位の学年や学校で別の形で出てくるものを解説すると面白そう。
という話である。
動画
動画による解説はこちら。
つるかめ算、連立方程式、逆行列
まず手始めにつるかめ算、連立方程式、逆行列を題材にしてみる。
- つるかめ算の歴史的背景
- 小学生的解法(つるかめ算)
- 中学生的解法(連立方程式)
- 高校生的解法(逆行列)
逆行列とか小学生向けガン無視の単語を出してしまったが・・・。
尚、小学生向けのつるかめ算ってのを知らない人もいるのではなかろうか?
小学校によってはつるかめ算は教えないことはある。
中学受験をしている人とかはほぼ必須で出てくる計算法となる。。
高校生レベルの話になると、親御さんもあやしくなってくる可能性はある。
小学生のお子さんはお父さん、お母さんがあたふたする姿を見て楽しむのも良いかもしれん。
と言っても、高校生レベルの話って大部分の大人は解けないことは多い。
昔の話だから忘れているというのもあるのでだろうが、
日本の高校で習う内容って結構高度なのも事実。
つるかめ算の歴史的背景
まずはつるかめ算の歴史的な話に少し触れておく。
つるかめ算って昔の日本からある算術の一種。
と思いきや、
どうも起源は中国らしい。
古代中国の数学書である「孫氏算経」に記された「雉兎同籠(ちとどうろう)」に由来する。
この問題は、キジとウサギを同じカゴにいれて、
それぞれの足の数と頭の数から個体数を求めるというもの。
これが日本に伝わり、江戸時代あたりで、ツルとカメに置き換わったようである。
中国の数学書『孫子算経』にある「雉兎同籠」が始まりとされる。それが江戸時代の本『算法点竄指南録』(坂部広胖著)でおめでたい動物とされるツルとカメに置き換えられて、この名前になった。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%B4%E4%BA%80%E7%AE%97)
小学生的解法(つるかめ算)
さっそくだけど問題。
ツルとカメが合わせて20匹います。
ツルの足の数は2本、カメの足の数は4本です。
足の合計は56本です。
ツルとカメの数を求めてください。
鶴の頭とカメの頭を数えればOKなんじゃね?
さすがにツルとカメの頭は見間違うとかありえないでしょ?
というのは無しでお願いします・・・。
まず最初に思いつくのが総当たり法
カメが20匹、ツルが0羽で足は80本!
カメが19匹、ツルが1羽で足は78本!
カメが18匹、ツルが2羽で足は76本!
とやっていけばいずれ答えにたどり着く。
が、結構時間がかかってしまうのも事実。
この総当たり法を見て気が付く点として、
なんか特性みたいなのはありそう。
カメの数を減らすと、足は2本ずつ減って徐々に56本に近づいていく。
同じことを12回くらい繰り返したら56本にとどきそう。
この発想がつるかめ算ということになる。
解き方としては、
- すべての動物がカメであると仮定する
- 足の数は合計で80
- 実際の足の数との差を求める
- 80から56を引いて24
- ツル1羽とカメ1匹の足の差は2本
- 24を2で割るとツルの数が求まる。
- 24割る2で12羽
- 実際の頭の数からツルの頭の数を引いてカメの頭の数を求める。
- 20から12を引いて12匹
総当たり法での求め方を見た後だと納得感はちょっと上がると思う。
そんなメンドクサイ計算しなくても、総当たりでも求められそうと言われるとそうなのだが、
数が増えると総当たりとかやってられない状態になる。
例えば、合計で200匹、足の本数の合計は560本とか。
カメが200匹、ツルが0羽で足が800本・・・。
カメが199匹、ツルが1羽で足が798本・・・。
・・・。
これは流石につるかめ算を使った方が圧倒的に早い。
ツルとカメを数えるとか野鳥の会の人でもやらん!
と思った人向けにもう少しリアルな問題を。
リンゴとオレンジが合わせて50個あります。
リンゴの重さは1個あたり150グラム、オレンジの重さは1個あたり200グラムです。
果物の合計の重さは8,500グラムです。リンゴとオレンジの数を求めてください。
なぜ混ぜた!最初から分けとけ!
とは思うが・・・。
全部リンゴだと150×50で7,500グラム。
実際の重さの差は8,500引く7,500で1,000グラム
オレンジはリンゴより50グラム多いから、
オレンジの数は1,000割る50で20個。
リンゴの数は50引く20で30個。
念のため検算すると、
\(20×200+30×150=8500\)
検算するのも大事。
ツルとカメは頭数とそれぞれの異なる足の数。
リンゴとオレンジは個数とそれぞれの異なる重さ。
同じような関係性をもっているものだったらつるかめ算で求められるってことになる。
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