はじめに
Youtubeチャンネルの方の
視聴者さんからのリクエストである、
「小学生向けの動画シリーズ」のブログ版。
分数から始まり微分に突入する。
動画
動画による解説はこちら。
類似動画シリーズ
おしながき
今回説明する範囲は以下。
- 分数
- 一次関数
- 微分
分数と一次関数までは良いが、
そこから一気に微分ってのがぶっ飛びすぎな気がしなくもない。
しかし、分数をベースに説明できる範囲しかしないのでたぶん大丈夫。
微分がそもそも何者かよくわからないという人もそこそこいると思う。
微分が何か、という問いがあまり意味がないかもしれない。
例えば、足し算、引き算、掛け算、割り算が何か、を問うのと似たようなレベル。
それぞれ、一応は厳密な定義はあるが、
そういう計算方法というだけで使用しているはず。
いちいち何かと問いながら使用しているものではない。
つまり、慣れの問題。
加えて、特性を把握することが重要ということになる。
使用方法、使用した場合の効能の把握が重要。
分数
まずは分数。
分数はちょろい・・・はず?
最近は分数がわからない大学生とかもいるらしい。
「大学生の質が下がりまくり」とか言われているようである。
分数がわからない大学生がいることは事実なのだろうが、
だからと言って、大学生の質が下がったことになるかは別問題と思った方が良い。
もともと、分数が分かっていない人は一定割合でいる。
そこに対して、大学進学率が上がって、分数が分かっていない人も大学生になる確率が上がったのだと思う。
つまり、分数が分かっていない人の割合は変わって無く、
進学率が変わったから、その結果として分数がわからない大学生が出てきたって感じ。
このように個々の割合を別々に考えたり、一緒に考えたりするのも分数の応用的な使用方法になる。
(割合とか比率は、分数との関連性は強い)
分数は、結局のところ、全体を分けて、そこからいくつ取り出すかって話で終わりである。
ただし、それは真分数というもので、仮分数、帯分数まで加味すると、その説明だけだと少ししっくりこない。
- 真分数: 分子が分母より小さい分数(例としては\(\displaystyle\frac{3}{4}\))
- 仮分数: 分子が分母より大きいか等しい分数(例としては\(\displaystyle\frac{5}{4}\))
- 帯分数:整数部分と真分数部分を持つ分数(例としては \(\displaystyle 1\frac{1}{4}\))
仮分数、帯分数の話になると、分数のイメージがおかしくなる。
「ケーキを4等分して5つもらった」みたいな現象が起きる。
この違和感を拾えることが重要。
結局、分数をとらえるにあたってシンプルなのは、割り算の別表現と考えるってあたりになる。
5/4だったら5÷4と一緒って考え方。
\(
\displaystyle\frac{5}{4}=5\div4
\)
もうちょっというと、割り算は「逆数を掛けること」と考えると、かなり応用範囲が広がる。
逆数とか小学生にはわからないだどうが、
元を分母に持ってきたり、分母と分子を入れ替えたりしたもの。
例えば、4の逆数は1/4。
つまり、5/4は5÷4であり、5×1/4ってことになる。
\(
\displaystyle\frac{5}{4}=5\div4=5\times\frac{1}{4}
\)
この話は、小学生の範疇から外れてはいるのかもしれないが、
分数や割り算を認識する上では重要な話となる。
あと、5×1/4を知っていれば、小数の掛け算で混乱しなくて済むというのもある。
小数の掛け算の例としては、5×0.25
\(
\displaystyle\frac{5}{4}=5\div4=5\times\frac{1}{4}=5\times0.25=1.25
\)
ここで割とあるあるな混乱が、
「5に対して掛け算したのに5より小さい数字になってて変だ!」
これは、掛け算を足し算の繰り返しとして覚えてしまった場合の誤解。
整数同士の掛け算であれば、足し算の繰り返しと同じ結果になるのだが、
それは小数の掛け算には適用できない。
無理やり、0.25回と定義してしまっても良いかもしれないが、
分数や逆数をベースに考える方が楽ではある。
つまり、掛け算が足し算の繰り返しで成立するのはたまたまで、基本的には別物と考えた方が良い。
良く言われるのが、
- 掛け算は次元の追加
- 割り算は次元の削除

必ず成立する話でもないのだけど、こういう側面があることは知っておいた方が良い。
長さに幅を掛けたら面積、そこに高さを掛けたら体積。
体積を高さで割ったら面積、面積を幅で割ったら長さに戻ってくる。
しかし、
「リンゴが3つ入った袋を5つ持ってる。リンゴをいくつもっているか」
とかだと、3×5をするだけで次元の追加とかのイメージは無い。

これも一応、ただ、次元の追加と削除で説明することも可能
- 「リンゴが3つ入った袋」は厳密には「3[個/袋]」と表現される
- よって、より正しい計算式は、3[個/袋]×5[袋]=15[個]
リンゴの個数の次元と袋の次元があって、それを追加したり削除したりしている。
いわゆる単位を明確にした表現。
「3[個/袋]って表現がしっくりこない」というのがあるかもしれない。
これは、実際の袋の数はわからないけど、1袋あたりって表現。
例えば、100袋で合計300個のリンゴがあっても、1000袋で合計3000個のリンゴがあっても、
3[個/袋]という事実は変化しないことを表現している状態。
実際の袋の数には依存しないこと、
つまり、袋という次元が削除されていることを明言している。
比較的、分数も大魔境である。
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