エンジン制御概要 O2センサ

エンジン

はじめに

O2センサの特性や空燃比フィードバックの概要を記載する。

O2センサの特性

ジルコニアO2センサ出力特性、リッチ、リーン、理想空燃比

理論空燃比(燃料\(1[g]\)に対して空気\(14.7[g]\))を中心にリッチ時に\(1[V]\)、リーン字に\(0[V]\)となる。

O2センサモデル

極端なO2センサモデルを描き起こすと以下のようになる。

O2センサ、空燃比、空燃比14.7を境に変動、Scilab

空燃比フィードバックの簡易モデル

O2センサから値が0~1とした場合、目標値は中間の0.5となる、補正値であるため、基準値は1倍となる。補正基準値に対しての振れ幅を決定する。14.7g/secを中心としたO2センサ特性のルックアップテーブル

空燃比フィードバックの簡易モデル 出力波形

シミュレーション結果、scilab、O2センサ入力、空燃比補正値

外部診断機とO2センサ

SAE J1979 Mode$01 PID$03にて下記の規定がある。

Value Description
1Open loop due to insufficient engine temperature
2Closed loop, using oxygen sensor feedback to determine fuel mix
4Open loop due to engine load OR fuel cut due to deceleration
8Open loop due to system failure
16Closed loop, using at least one oxygen sensor but there is a fault in the feedback system

この表のポイントは”1″のところ。
これは「触媒温度やO2センサ自体の温度がそれなりに上がっていないとセンサ値そのものが信用できない」ことを示している。

同じくSAE J1979 Mode$06/$07/$08/$09にトリム出力要求がある。

PID (hex) Data bytes returned Description Min value Max value Units Formula
61Short term fuel % trim—Bank 1-100 Subtracting Fuel (Rich Condition)99.22 Adding Fuel (Lean Condition) %(A-128) * 100/128
71Long term fuel % trim—Bank 1-100 Subtracting Fuel (Rich Condition)99.22 Adding Fuel (Lean Condition) %(A-128) * 100/128
81Short term fuel % trim—Bank 2-100 Subtracting Fuel (Rich Condition)99.22 Adding Fuel (Lean Condition) %(A-128) * 100/128
91Long term fuel % trim—Bank 2-100 Subtracting Fuel (Rich Condition)99.22 Adding Fuel (Lean Condition) %(A-128) * 100/128
  • Short term trim
    • 現在の空燃比補正係数。
  • Long term trim
    • 空燃比補正係数の平均値。
      空燃比補正フィードバックの異常判定確定用に使用される値。
      もし、平均値による判定処理が存在しない場合は未サポート扱いにする必要がある。

まとめ

現在は全領域空燃比センサというものが使用されているが、O2センサによる空燃比フィードバックが基本的な考え方となる。
O2センサと比べ全領域空燃比センサの方がさらに理想空燃比を維持できるため、排ガス規制の強化についていけているという背景もある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました