【入門】三角関数の直交性③【数値計算】

【入門】三角関数の直交性③【数値計算】 数値計算
【入門】三角関数の直交性③【数値計算】

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はじめに

の、

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その30【三角関数の直交性⑤】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その31【三角関数の直交性⑥】

を書き直したもの。

フーリエ係数に至る道。
今回は三角関数cos同士の直交性についての説明。

【再掲】フーリエ係数に至る道

まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。

  • 偶関数
  • 奇関数
  • 関数の内積
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の積和公式
  • 重要な極限値
  • 三角関数の直交性
  • フーリエ係数

今回は三角関数cos同士の直交性についての説明をする。

cos同士の内積と定積分

前回は、sin同士の直交性の話。
といわけで、当然cos同士もあるってことになる。

まずは、cos同士の内積と定積分を示す。
例によって、m,nはとある自然数。

\(
\displaystyle\cos(mx)\cdot\cos(nx)=\int_{-\pi}^{\pi}\cos(mx)\cos(nx)dx
\)

雰囲気としては、sin関数の時と一緒。

積和公式を思い出す。

そして、cos同士の積和公式をここで思い出す。

\(
\displaystyle\cos(mx)\cos(nx)=\frac{\cos\{(\alpha+\beta)x+\cos\{(\alpha-\beta)x\}}{2}
\)

これを定積分のところに放り込む。

定積分を解いていく

あとはいい感じに最適化していく。

\(
\begin{eqnarray}
&&\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx=\int_{-\pi}^{\pi}\frac{\cos\{(m+n)x\}+\cos\{(m-n)x\}}{2}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2}\bigg[\frac{1}{m+n}\sin\{(m+n)x\}-\frac{1}{m-n}\sin\{(m-n)x\}\bigg]_{-\pi}^{\pi}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi\}-\sin\{-(m-n)\pi\}]+\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi-\sin\{-(m-n)\pi\}\}]
\end{eqnarray}
\)

ここで、sinは奇関数であり、入力の極性はそのままsin関数の外側に出せることを利用して変形する。

\(
\begin{eqnarray}
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi\}+\sin\{(m+n)\pi\}]+\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi+\sin\{(m-n)\pi\}\}]\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[2\sin\{(m+n)\pi\}]-\frac{1}{2(m-n)}[2\sin\{(m-n)\pi]\\
&=&\displaystyle\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}+\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}
\end{eqnarray}
\)

そして、\(n,m\)が自然数である場合、
sin関数の入力は\(\pi\)の整数倍だ。
円で考えると、\(0^\circ,180^\circ\)の時のsinになり、
この場合、sinは必ず0になる。

今回も結局はsinの組み合わせの関数になるから、同じように0になる。

先ほどの式で考えると以下になる。

\(
\displaystyle\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}+\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}=0
\)

これで、cos同士の内積も0であることが証明された。
(n=mの時の話が残ってるが。)

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当然、n=mの時の扱いが特殊となる。
それについてを次のページで説明。

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