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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その28【三角関数の直交性③】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その29【三角関数の直交性④】
を書き直したもの。
フーリエ係数に至る道。
今回は三角関数sin同士の直交性についての説明。
【再掲】フーリエ係数に至る道
まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。
- 偶関数
- 奇関数
- 関数の内積
- 三角関数の加法定理
- 三角関数の積和公式
- 重要な極限値
- 三角関数の直交性
- フーリエ係数
今回は三角関数sin同士の直交性についての説明をする。
とりあえずそういうものだ。
前回はsinとcosの直交性の話をしたが、
今回はsin関数同士になる。
割と長めの数式が出てくるが、
よくわからなかったら、とりあえずそういうものだと飲み込むことを推奨。
理由よりも、そういう性質があるという事実の方が重要。
sin同士の直交性
まずは、sin同士の直交性を見るために
内積と畳み込み積分を確認する。
ここで出てくる\(m,n\)は、とある自然数とする。
\(
\displaystyle\sin(mx)\cdot\sin(nx)=\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx
\)
ここは前回と同じノリ。
積和公式を思い出す
そして、以前やった積和公式を思い出す。
\(
\displaystyle\sin(\alpha x)\sin(\beta x)=\frac{\cos\{(\alpha-\beta)x\}-\cos\{(\alpha+\beta)x\}}{2}
\)
定積分の中のsin同士の積と同じ形になることがわかると思う。
定積分を解いていく
あとはいい感じに最適化していく。
\(
\begin{eqnarray}
&&\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx=\int_{-\pi}^{\pi}\frac{\cos\{(\alpha-\beta)x\}-\cos\{(\alpha+\beta)x\}}{2}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2}\bigg[\frac{1}{m-n}\sin\{(m-n)x\}-\frac{1}{m+n}\sin\{(m+n)x\}\bigg]_{-\pi}^{\pi}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi\}-\sin\{-(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi-\sin\{-(m+n)\pi\}\}]
\end{eqnarray}
\)
ここで、sinは奇関数であり、入力の極性はそのままsin関数の外側に出せることを利用して変形する。
\(
\begin{eqnarray}
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi\}+\sin\{(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi+\sin\{(m+n)\pi\}\}]\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[2\sin\{(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[2\sin\{(m+n)\pi]\\
&=&\displaystyle\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}-\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}
\end{eqnarray}
\)
そして、\(n,m\)が自然数である場合、
sin関数の入力は\(\pi\)の整数倍だ。
円で考えると、\(0^\circ,180^\circ\)の時のsinになり、
この場合、sinは必ず0になる。
つまり、先ほどの式で考えると以下になる。
\(
\displaystyle\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}-\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}=0
\)
0ということは、
sin関数同士も直交してるってことになる。
次のページ
n=mの時が少々厄介。
というわけで次のページでは「m=m」の時の話になる。
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