内積は畳み込み積分
以前、内積と畳み込み積分は、該当関数を無限次元ベクトルをすると同一でるという話をしたと思う。
まず、sin関数とcos関数の内積を考えてみよう。
\(
\sin(nx)\cdot\cos(mx)
\)
ちなみに、nとmはある自然数とする。
これを畳み込み積分で考える。
\(
\displaystyle\sin(nx)\cdot\cos(mx)=\int_{-\pi}^{\pi}=\sin(nx)\cos(mx)dx
\)
そして、sin関数は奇関数、cos関数は偶関数。
奇関数×偶関数はどうなるか?
答えは、
「奇関数×偶関数は奇関数になる。」
それでは奇関数を原点を中心に同じ幅で定積分するとどうなるか?
答えは、
「奇関数で原点を中心に同じ幅で定積分をすると0になる」
つまり。以下が成立する。
\(
\displaystyle\sin(nx)\cdot\cos(mx)=\int_{-\pi}^{\pi}=\sin(nx)\cos(mx)dx=0
\)
というわけで0になる。
内積が0になるということは?
畳み込み積分の結果、0になった。
つまり、内積の結果としても0と言える。
この状況は何を示しているだろうか?
内積で0なので、直交している状態と言える。
sin関数とcos関数は無限次元ベクトルとすると直交したベクトルとなる。
sin関数とcos関数が直交していることで何が良いのかわからないかもしれないが、
直交しているという事実はかなり重要。
これは後日説明。
まとめ
- 直交性とは2つのベクトルが垂直に交わることを指す。
- 直交しているベクトルの内積は必ず0になる。
- 奇関数、偶関数の特性より、sin、cosの畳み込み積分は0となる。
- 畳み込み積分が0ということは内積も0になる。
- 内積が0ということは直交しているということになる。
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