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はじめに
今回からBypassという手法の話に突入。
まずはいつもの太郎くんの災難からスタート。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
道路?
うーん。わからん!
バイパスって一体なんなんだ!
えーっと、
バイパス道路(バイパスどうろ)とは、市街地などの混雑区間を迂回、または峠・山間部などの狭隘区間を短絡するための道路である。
Wikipediaより
違う!絶対違う!
(なんだ?
自動車関係の仕事をしてると思ってたけど、道路関係に転職したのかな?
まぁ国交省管轄って意味では類似領域だけど。)
あ、フクさん!ちょうど良いところに!
(いかん!気配を消さねば!
私は空気、私は空気、私は空k、)
ちょっとバイパスってのを教えてよ。
バイパス道路(バイパスどうろ)とは、市街地などの混雑区間を迂回、または峠・山間部などの狭隘区間を短絡するための道路である。
Wikipediaより
違う!それさっきやったから。
背景とか経緯とか
わけわからんので、説明を求む!
僕もわけわからん状況になってるだけど、
一応経緯を話すね。
顧客:「この前のラピッドコントローラ置き換えありがとうございました。大変助かっております。」
上司:「あー。弊社の太郎がやっていたアレですね。」
顧客:「実はその後シフト制御用のプロトタイプECUが仕上がってきたんだですが。」
上司:「ほう。ならば制御の実装は弊社がやりますよ!」
顧客:「まだ、具体的なアルゴリズムは決まっていないので、まずはバイパスで調整したいのですよ。」
上司:「バ、バイパス?あーバイパスですね。はいはい。」
(こ、これは・・・)
顧客:「知っているようで安心しました。バイパス環境の構築をお願いしますね。」
上司:「ま、まかせてください!」
(あえてポジティブな表現を使うならば「チャレンジングな組織」だな。)
まだ続くよ。
上司:「良し。太郎。バイパスやるぞ。あとは任せた!」
太郎:「バイパスって何ですか?道路ですか?」
上司:「そんなことも知らんのか?」
太郎:「あ、知っているんですね。教えてください。」
上司:「お、俺が教えたら折角の太郎の成長機会を奪ってしまう。自分で調べろ。」
( )
フクさん!
絶句してる感が半端ないよ!
バイパスとは?
いやー、なんというかすごいね。
まぁ、うちの上司の受注率って恐ろしく高いんだよねー。
その代わり炎上率も恐ろしく高いけど。
(誰かなんとかしろよ)
まずはここで言うバイパスについて説明するよ。
よろしく!
まずスペルとしてはBypassになる。
ちなみに、道路のバイパスも同じスペルだよ。
うんうん。
次にBypassでやりたいことは、
「制御ユニットの一部のアルゴリズムをPC上のモデルで演算」
だ。
え?そんなことができるの?
当然、リアルタイム性の問題とかは出やすいが、
\(10[ms]\)周期で、そこそこの演算であれば、間に合うかな。
まぁ制御ユニットとPCがどのような回線で繋がっているかも依存するけど。
利用する回線
話によるとEthernetらしいけど。
じゃー\(10[ms]\)周期で問題なさそう。
他にどんな回線があり得るの?
あとはCANとかかな。
\(10[ms]\)周期の場合、CANでもなんとかなるけど、ちょっと厳しい瞬間はあるかも。
って程度。
全体構成
とりあえず、絵で描くとこんな感じ。
この絵だと、
ECU内の特定関数を乗っ取るようなイメージ?
そうだね。
ECUで処理するはずの演算をPC側で実施して、
その演算結果をECUへ戻す。
試行回数を増やしたい場合はかなり有効。
あー、そういうことかー。
たしかにアルゴリズムが決まってないとか言ってたし、
試行し易い環境を用意してくれってことだったんだ。
次回は具体的な通信の話になるかな。
まとめ
まとめだよ。
- Bypassという実験手法がある。
- 使用する回線は特に決められていないが、EthernetやCANであることが多い。
- アルゴリズムが確定しておらず、試行回数を増やす場合にとても有効な手法。
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