バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/model-based-of-minimum-2-backnumber/
はじめに
前回までで当初の目的の「簡易HILSの実現」は完了。
高度な検証設備は利用回数が限られていることもアリ、
Python環境、CANoe環境の仮想HILSは手戻り削減の事前検証で強い効果が見込まれる。
というわけで本来であれば、本シリーズも終了になるのだが、
もう少しネタがあるのでちょっと続く。
登場人物
博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
ちょっとした問題

うーん。

どうしたの?

前回までで仮想HILSで目的の「簡易HILS」が実現で来たんでいろいろ報告書をまとめてたんだけど、
Python環境下の仮想HILSの場合、計測ログが残らないんだよねー。

まぁとりあえず動かすことを目的としてるからね。

でもログが欲しければ計測データをファイルに出力するとかですぐ対処できるんじゃない?

そのファイルなんだけど、会社の方針でMDFって形式の方が良いって話を聞いたんだよねー。
CANoeだと簡単にできるっぽいけど、Pythonの場合どうしたもんかと・・・。

確かにMDFはCANoeの場合、デフォルトの機能として持ってるものだから問題にはならないな。
Pythonは何かしらの対処が必要そうだ。
そもそもMDFがわからん

あと、そもそもの話になっちゃうんだけど、
MDFって何?

そこからか。

なんか良く聞く名前だなーって程度でどういうフォーマットなのかどういうデータが格納されてるのか、なんでMDFじゃないといけないのかとかさっぱりわかってないんだよね。

じゃー、まずは以下の話をしていこうか。
- MDFとは?
- MDFのデータ構造
- MDFの有用性

よろしくー。
MDFとは?

まずはMDFについてだが、これは以前もどこかで説明はしたかもしれんが、
ASAM(Association for Standardisation of Automation and Measuring Systems:自動化システムと測定システムの国際標準化団体)
で標準化されている計測データフォーマットで、Measurement Data Formatの略になる。

Measurement Data Formatって割とそのまんまな名前だったのか・・・。

ここでちょっと問題になってくるのが、
Versionが2,3,4と存在しているところだな。
現在に於いてはVersion3とVersion4があるだけだと思うけど。

Version4がVersion3の上位コンパチみたい感じ?

それだったらありがたかったのだが、
データ構造のポリシーが似ているだけで、フォーマットとしては全く別物だな。

マジか・・・。

さらに先ほどのASAMで標準化されてる仕様はVersion4だけでVersion3はASAM仕様ではない。

なんかどんどんキナ臭くなってきたぞ・・・。

というわけでVersoin3の仕様についてはVector社かETAS社から入手する必要がある。
Vector社だったら誰からも見えるように開示してるみたいだね。

ちなみに社内で使おうとしているMDFはVersion4で問題無い?

そこは確認してみないとわからないなー。

Version3とVersion4の両方の話となるとそこそこややこしいことになるので、
どっちか片方にしてもらうとありがいたいかな。

じゃー次回までに確認しておくよー。
まとめ

まとめだよ。
- Python環境下の仮想HILSで収録データが無いことが問題に。
- さらに収録データフォーマットはMDFが望ましいらしい。
- MDFはASAMで規定されてる標準仕様。
- ただしVersion4がASAM仕様で、それより以前のVersionは非ASAM。
- Version3,Version4のどちらかについて解説していく方向にしたい。
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