バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/model-based-of-minimum-2-backnumber/
はじめに
前回はXCPパケットの送受信をする関数を作成。
特にDAQパケットが混じった際に送信コマンドに対するレスポンスパケットを拾えるように注意したもの。
この送受信関数を使ってDAQ設定関連のコマンドを投げていく。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
FREE_DAQ
まずはFREE_DAQってコマンドだね。
これは、名前的にはDAQ listを全部解放するコマンドかな?
そうだね。
ツール側で認識していないDAQ listがECU内部で構築されている可能性があるんで、
念のため最初にとりあえず投げるコマンドになるな。
とりあえずって・・・。
まぁとりあえず投げてみよう。
(結局「とりあえず投げる」んじゃん)
電文としては
0xD6
だけだな。
1byte送ればいいのか。
まぁ特にパラメータとかもなさそうだもんね。
xcp_sendrecv([0xD6, ]);
Send msg : Timestamp: 0.000000 ID: 0001 S DLC: 1 d6
Recv msg : Timestamp: 1635538778.628007 ID: 0002 S DLC: 1 ff Channel: 1
XCP Basicのコンソール画面
-> FREE_DAQ
<- 0xFF
正常応答が来たね。
ALLOC_DAQ
次はALLOC_DAQか。
これは作成するDAQ listの数を指定するコマンドだ
とりあえず1個だけ作成する場合の電文はこれだ。
0xD5, 0x00, 0x01, 0x00
※ 3~4byte目がDAQ_LIST_NUMBER
※ データの入れ方はリトルエンディアン(環境依存)
じゃ、送ってみよう。
xcp_sendrecv([0xD5, 0x00, 0x01, 0x00, ]);
Send msg : Timestamp: 0.000000 ID: 0001 S DLC: 4 d5 00 01 00
Recv msg : Timestamp: 1635580234.064638 ID: 0002 S DLC: 1 ff Channel: 1
XCP Basicのコンソール画面
-> ALLOC_DAQ count=1
[XcpAllocMemory] 6/256 Bytes used
[XcpAllocMemory] Queuesize=27
<- 0xFF
正常応答だけど、
なんか内部でメモリ確保された?
そうだね。
メモリ確保と言ってもmallocのような標準関数が使われたというより、
DAQ用に定義している固定長配列から切り出しているってイメージだ。
DAQ listを定義する構造体は以下になっていて、
今回の実装だと確かに6byte分使用される。
typedef vuint8 tXcpOdtIdx;
typedef vuint8 tXcpOdtCnt;
/* DAQ list */
typedef struct {
tXcpOdtIdx lastOdt; /* Absolute */
tXcpOdtIdx firstOdt; /* Absolute */
vuint8 flags;
#if defined ( kXcpMaxEvent ) && ! defined ( XCP_ENABLE_DAQ_PRESCALER )
/* Event-Daq association array used */
#else
vuint8 eventChannel;
#endif
#if defined ( XCP_ENABLE_DAQ_PRESCALER )
vuint8 prescaler;
vuint8 cycle;
#endif
} tXcpDaqList;
Queuesizeってのは?
残りのメモリ領域で生成できるODTの数だな。
最大で27のODTが生成することが可能なことを示しているが、
ODTの管理領域、ODT_ENTRYの管理領域を確保しても減っていく数値なので、
その点を気を付ける必要はあるだろう。
まぁ今回は1個作る程度だから十分な量と言える。
意外と複雑そうな作りをしてるんだなぁ。
まとめ
まとめだよ。
- FREE_DAQコマンドを送信。
- ECU内部のDAQ list構造を真っ新にするコマンド。
- “とりあえず”一番最初に投げらえる。
- ALLOC_DAQコマンドを送信。
- 生成するDAQ listの数を指定するコマンド。
- XCP Basicの場合、DAQ list毎に6byte消費。
バックナンバーはこちら。
コメント