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はじめに
前回のプラントモデルの精度向上の続き。
今回は実際にモデルの修正までする。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
定常ゲインを求める
さて、前回の続きと言うことで
一次遅れ系の定常ゲインを求める。
まずイメージ。
なるほど。
出力から車速までの演算が邪魔ってことなんだね。
その通り。
前回のグラフに対しての同定は車速\(V_p\)に対しての特性なので、
動力\(P\)としての特性を算出する。
こんな感じ。
\(F:\)力\([N]\)
\(P:\)出力(仕事率)\([W]\)
\(v:\)車速\([m/sec]\)
\(a:\)加速度\([m/sec^2]\)
\(m:\)車両重量(質量)\([kg]\)
$$F=ma$$
$$a=\frac{dv}{dt}$$
$$P=Fv=mav=m\frac{dv}{dt}v$$
出力と車速の関係が出たってところかな。
うん。
そして、車両重量を\(1150[kg]\)
アクセル開度MAX時の最高速度を\(200[km/h]\)こと
$$200[km/h]×1000[m/km]÷60[min/h]÷60[sec/min]$$
$$≒55.56[m/sec]$$
平均加速度を
$$(55-10)[km/h]÷31[sec]$$
$$=1.45[km/hsec]$$
$$=1.45[km/hsec]×1000[m/km]÷60[min/h]÷60[sec/min]$$
$$≒0.403[m/sec^2]$$
出力と車速の関係式から
$$K=1150[kg]×55.56[m\sec]*0.403[m/sec^2]$$
$$=25749.282$$
となる。
この\(25749.282\)が定常ゲイン。
うーん、
サクサクとよく計算できるもんだなぁ。
事前に計算して検算もした。
こんなのカンペ無しで言えるわけないだろう。
(やっぱりカンペがあったのか。)
プラントモデルの修正
次にプラントモデルを修正する。
あ、加速時と減速時で時定数を変更するんだよね?
僕がモデルの修正するよ。
じゃー任せた。
~ 10分後 ~
できた!
うん。バッチリOKだ。
特に指摘は無いよ。
おー!初めての一発OK!
シミュレーションしてみる
んで、
そのままシミュレーションしてみなよ。
あいよ!
・・・。
あれ?
どうかした?
なんかちょっと制御が振動しちゃってるんだよねぇ。
自動制御に移った段階で一気に踏み込んでる感じで。
PIDのゲインが強いんだね。
ということは\(K_p\)と\(K_i\)を下げてあげれば良いってことだね。
まぁPID制御としてはそうなるが、
\(K_p\)と\(K_i\)はそのままにしておこう。
次回、別のパラメータを調整することで振動を抑えるのに挑戦してみよう。
制御器も修正がいるのか?!
まとめ
まとめだよ。
- 出力(仕事率)と速度の関係は質量が確定していれば算出可能。
- 最大速度が確定していれば、定常ゲインが算出可能。
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