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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第3章 その83【アフィン行列の合成⑦】
を書き直したもの。
アフィン変換のアフィン行列の合成の話。
今回はMATLABで実施する。
【再掲】プログラムで実現したいアフィン行列の合成
やっとアフィン行列の合成をプログラミングとして実装する話に突入。
実現したいアフィン行列の合成を再掲しておこう。
伸縮、移動、回転、剪断の順番で合成している。
といっても今回は、剪断は実施しない。
\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix} \\
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)
そして実際にはアフィン逆変換なので、以下の式を利用することになる。
\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}\\
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)
これをMATLABで実現する。
(これを導出するまでが異様に長かった・・・。)
MATLABコード
以下がMATLABコードになる。
canvas_expansion.m
function img = canvas_expansion(img, x, y)
[H, W] = size(img);
WID = W+x;
HID = H+y;
e_img = zeros(HID, WID);
e_img(int32((HID-H)/2)+1:int32((HID+H)/2), int32((WID-W)/2)+1:int32((WID+W)/2)) = img;
img = e_img;
end
affine_transformation.m
function affine_img= affine_transformation(img, matrix)
% 画像サイズ取得
[hight, width] = size(img);
% 中心を0とした座標系を生成
x_axis = linspace(-1, 1, width);
y_axis = linspace(-1, 1, hight);
[xim,yim] = meshgrid(x_axis, y_axis);
% 座標x',y',1の3次元ベクトルの配列
% n(:)表記で列ベクトル化したあとに転置して行ベクトル化
points = [xim(:)';yim(:)'; ones(1, size(xim(:),1))];
% 変換元座標算出(アフィン逆変換)
points_affine = matrix * points;
% 画像と同一形状の2次元配列に変換元座標配列を生成
dx = reshape(points_affine(1,:),[hight width]);
dy = reshape(points_affine(2,:),[hight width]);
% 変換元座標をピクセル位置に変換
v = uint32(fix(min(max((dx+1)*width/2, 1), width )));
h = uint32(fix(min(max((dy+1)*hight/2, 1), hight )));
% 元画像と変換元座標を元に変換先へコピー
affine_img = img(h+(v-1)*hight);
end
affine_transformation_test.m
function affine_transformation_test()
img = imread('dog.jpg');
r = img(:,:,1);
g = img(:,:,2);
b = img(:,:,3);
% SDTVグレースケール
img = uint8(fix(0.2990 * r + 0.5870 * g + 0.1140 * b ));
img = canvas_expansion(img, 800, 800);
sx = 1;
sy = -1;
tx = 0.5;
ty = 0;
theta = 150/180*pi;
mx = tan(0/180*pi);
my = tan(0/180*pi);
scaling_matrix = inv([ sx 0 0;
0 sy 0;
0 0 1]);
translation_matrix = inv([ 1 0 tx;
0 1 -ty;
0 0 1]);
rotation_matrix = [ cos(theta) -sin(theta) 0;
sin(theta) cos(theta) 0;
0 0 1];
shear_matrix = inv([ 1 -mx 0;
-my 1 0;
0 0 1]);
matrix = scaling_matrix*translation_matrix*rotation_matrix*shear_matrix; %#ok<MINV>
affine_img = affine_transformation(img,matrix);
% グレースケール画像表示
imagesc(affine_img);
colormap(gray);
% グレースケール画像の書き込み
imwrite(uint8(affine_img), 'dog_affine.jpg');
end
処理結果
処理結果は以下。
考察
ちゃんと、それっぽく動いている。
少し分かりにくいかもしれないが、
上限反転、中心から端までの距離の半分を移動、そこから150°回転している。
これを行列を合成させた上で、一括で変換処理を実施している。
尚、回転行列に渡している角度は度数法ではなく、弧度法。
よって、180で割ってπを掛けている。
最初にも書いたが、剪断は実施していない。
しかし、演算としては剪断行列もかけている。
\(\tan(0)=0\)なので、剪断行列は単位行列になる。
単位行列なので、掛けても行列は変化しない。
このように、使用しない変換も演算として組み込んでおくと便利である。
まとめ
- MATLABでアフィン行列の合成を確認。
- 問題無く動作。
- 回転行列内の三角関数に渡す角度は度数法ではなく弧度法。
- 180で割ってπを掛ける。
- 変換しない際は単位行列になるようにしておけば、掛けても影響はない。
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