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はじめに
100Base-T1の詳細仕様まとめ。
登場人物
博識フクロウのフクさん

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エンジニア歴8年の太郎くん

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100Base-T1の詳細仕様まとめ

100Base-T1の詳細仕様を説明してきたけど、
ざっと表にまとめてみよう。

それはありがたい。
項目 | 100Base-T1 | 100Base-TX |
---|---|---|
仕様名 | IEEE802.3bw | IEEE802.3u |
データ転送レート | 100Mbps | 100Mbps |
変調方式 | PAM3 | MLT3 |
クロック | 66.7MHz | 100MHz |
ハーネス最大長 | 15[m] | 100[m] |
伝送方式 | ツイストペア1本で双方向(衝突あり) | ツイストペア2本で双方向(衝突回避) |
コネクタ | 未定義 | RJ45 |

こう見ると同じ100Baseとは言え全然違うんだよなー。

よって、PCのLAN口に刺しても通信できないってことになる。
100Base-T1の通信をするには?

じゃー、100Base-T1をPCでやり取りするにはどうすれば良いの?

まぁ代表的なのは
Vector社のVN56xxを使用するパターンかな。

ただ、PCのネットワークインターフェースじゃなくてVectorドライバとして認識されると思うから、
CANoe、CANanalyzerを使うか、
Vector XLドライバライブラリを使うことになるねー。

PCのネットワークインターフェースとして認識させようと思ったらどうしたら良いんだろう?

そっちもVector社が製品として用意してるっぽい。
vx0312ってやつだねー。

まじか。
Vectorすげーな。

あとは100Base-T1と100Base-TXを変換するような治具が売ってたりするから
そういうのを使うのも一手だねー。

PCのネットワークインターフェースが使えるパターンの方が、lwIP+npcapシミュレーションが使えるからそっちの方が良いかな。

まぁいざとなったら
lwIP+VectorXLドライバ
って構成を組んでみるってのもアリだと思うよ。

そっか。
EthernetFrameのやり取りが出来れば良いから
npcapに拘る必要もないのか。
感想

で、車載Ethernetはどうだった?

上位は普通のEthernetだけど、
物理層は車載ってことでいろいろ工夫されてるんだなーって思った。

まぁ100Base-T1がCAN並みに一般的になれば、物理層はあんまり気にしなくても良いだろうけど
暫くは必須知識になるだろう。

そのうち100Base-T1がCANに取って代わるんだろうか?

うーん、それはちょっと考えにくいねー。

というと?

CANの思想はあくまで疑似的なマルチポートRAMでリアルタイム性重視。
100Base-T1はCANでは実現できないデータ転送を実現するスループット重視。
というわけで目的が異なる。
CANでやっていたところを100Base-T1にすると衝突による再送信を加味するとリアルタイム性の担保が難しいと思うんだよねー。

そっか。
CANの場合はアービトレーションがあるから、衝突しても優先度が高いフレームはそのまま送出されるから
リアルタイム性の担保がし易いんだっけか。

まぁいろんなネットワークを知って、得手不得手をしって上手く使うってことだねー。

というわけで車載ネットワークのシリーズは一旦終了!
まとめ

まとめだよ。
- 100Base-T1の詳細仕様まとめ。
- とりあえず、ざっと表でまとめた。
- 100Base-T1をPCから制御する方法。
- 専用デバイスを使用するパターン。
- ネットワークインターフェースに化けるパターン。
- 100Base-T1がCANに取って代わるのは考えずらい。
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