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はじめに
100Base-T1の詳細仕様(クロック、ハーネス最大長、伝送方式)の話。
登場人物
博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
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100Base-T1の詳細仕様

今回は残りの以下の話だね。
- クロック
- ハーネス最大長
- 伝送方式

それぞれ、それほど多くを語ることはないので一気にサクっといってしまおう。
クロック

クロックは100MHzなんじゃない?
だって100Baseって言ってるし。
以前、データ転送レートも100Mbpsって言ってたし。

100Base-TXについてはYes。

100Base-T1についてはNo。

なんだってーーー!!!

なんでよ!!

忘れたの?
前回の4B/3B/2Tの話。

あ、そういえば3bitが3レベル2bitに圧縮できるんだっけか?

となると・・・。
100/3*2=66.66666666666667
で66.7MHz・・・か?

その通り。
付け加えると、
MIIの4bitのところは25MHzで駆動。
これは100Base-TXも一緒だね。

というか、100Baseと言いつつクロック自体は66.7MHzという事実に驚愕だよ!!

まぁクロックを落としてノイズの影響を受けづらくする工夫だね。

なるほど。
ハーネス最大長

100Base-TXは100[m]。
対して100Base-T1は15[m]。
これもノイズ対策の一環だね。
あと信号減衰抑制と衝突検知精度向上もあるだろうけど。

意外と短いのね。
これはやっぱり車載だから短めにしないと保証できないってことなのかな?

細かい計算は有るだろうけど、
大筋そういうことだろうね。
衝突検知精度については、
次に説明する伝送方式の影響が大きいと思うけど。

じゃー早くその伝送方式を!
伝送方式

100Base-TXはツイストペア2本で双方向通信。
いわゆるカテゴリー5のケーブル。
送信、受信で個別のツイストペアがあるんで、基本的には衝突しない。
シールド有無はお任せだけど、大体シールドありになってるかな。

あ、聞いたことある。
対ノイズ性能でカテゴリ分けされてるやつだ。
ギガビットイーサとかだとカテゴリ6じゃなとダメ―ってやつ。

まぁその認識でOKだ。

次に100Base-T1だが、
こっちはシングルツイストペアで、
ツイストペア1本で双方向通信。
シールドはない。

ツイストペア1本で双方向?
ということは衝突がありえるってこと?

そうだね。
よって、衝突時にEthernetFrameを破壊したことを全ノードが認識できるようハーネス長もあまり長くはできない。
ツイストペア1本にするのは、ハーネスの軽量化一貫だと思う。
シールドが無いのも同じ理由。

うーん、対ノイズ性は上げたいけど、
軽量化もしたい。
なかなか難しい問題を抱えてるもんだねー。

だから、Ethernetが車載で導入されにくかったってことだねー。
まとめ

まとめだよ。
- 100Base-T1の詳細仕様(クロック、ハーネス最大長、伝送方式)説明。
- クロックは3bitを3レベル2bitにすることから66.7MHz。
- ハーネス長は対ノイズ性と衝突検知精度を確保するため短め。(15[m])。
- 伝送方式はシングルツイストペア。
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