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はじめに
100Base-T1とBroadR-Reachの話。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
100Base-T1とBroadR-Reach
前回、IEEE802.3bwが車載Ethernetの規格で
100Base-T1だってことは聞いたんだけど、
車載Ethernetと言うとBroadR-Reachってのも良く聞く気がするんだけど?
あー。それ同じもの。
え?
同じなの???
仕様としては同じで、
違うのは、
100Base-T1では物理層のコンプライアンステストが明確ってところかな?
100Base-T1とBroadR-Reachの仕様
100Base-T1の仕様に関してはOpenAllianceってことで公開されている。
OpenAlliance
ついでにBroadR-Reachもここに仕様書がある。
http://www.ieee802.org/3/1TPCESG/public/BroadR_Reach_Automotive_Spec_V3.0.pdf
100Base-T1、BroadR-Reachの生まれと経緯
100Base-T1、BroadR-Reachの生まれと経緯とかってどうなってるの?
まずBroadR-Reachの生まれは
Broadcom社発明だね。
Broadcom社というと、通信系の半導体やソフトウェア製品作ってるとこだね。
自動車向けの通信の発明もしてたんだ。
車載ネットワークに於いての課題は以下。
- あまり特殊な物理層だと利用障壁があって一般化されないが故に価格が下がり難い。
- ハーネスの重さが車重に影響を与えるため不用意にシールドを巻けない。
- シールドを巻けないが故にボーレートを引き上げにくい
あー確かにそういう車載ならではの課題はありそうだよねー。
まぁここらへんの課題を解決してくれたのがCANであり、
その後の上位規格にCAN-FDだったりするわけだ。
ん?
だったらCAN/CAN-FDでもいいんじゃない?
パワートレイン系の制御情報交換程度だったら
CAN/CAN-FDでも事足りるかもしれないけど、
インフォテイメント系になると事情が変わってる来る。
インフォテイメント系
インフォテイメント系って具体的に何があるんだっけ?
インフォテイメント系で100Base-T1、BroadR-Reachに関係しそうなのは以下かな。
- サラウンドビューパーキングアシスタンス
- リアビューカメラ
- 衝突回避システム
あ。
どれも映像が絡むようなヤツだ。
そうそう。
というわけで、やり取りする情報量が半端無く多い。
これはCANをCAN-FDにした程度ではどうにもならない量になる。
そこで100Base-T1、BroadR-Reachの登場が望まれたわけか。
で、
100Base-T1、BroadR-Reachはシールド無しで低ボーレートを満たしてるのかな?
まぁそこら辺は特殊な工夫がされてるねー。
次回、さらに細かい仕様の話をしよう。
まとめ
まとめだよ。
- 100base-T1とBroadR-Reachは同じもの。
- 違いはコンプライアンステストの詳細度。
- 車載ネットワークはハーネスの重さがキモとなり要シールドレス。
- CAN/CAN-FDがその課題を解決していたが、映像を扱うシステムでは転送速度が不足。
- そこで100Base-T1、BroadR-Reachの登場。
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