【入門】フーリエ係数②【数値計算】

【入門】フーリエ係数②【数値計算】 数値計算
【入門】フーリエ係数②【数値計算】

MATLAB、Python、Scilab、Julia比較ページはこちら
https://www.simulationroom999.com/blog/comparison-of-matlab-python-scilab/

はじめに

の、

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その39【フーリエ係数③】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その40【フーリエ係数④】

を書き直したもの。

フーリエ係数に至る道。
今回からフーリエ係数の話に突入。
三角関数の直交性を利用した成分抽出をフーリエ係数にどう繋げるかという話になる。
今回はcos成分中心。

【再掲】フーリエ係数に至る道

まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。

  • 偶関数
  • 奇関数
  • 関数の内積
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の積和公式
  • 重要な極限値
  • 三角関数の直交性
  • フーリエ係数

三角関数の直交性を利用した成分抽出をフーリエ係数にどう繋げるかという話になる。

フーリエ係数を求める雰囲気

それではフーリエ係数を求めることになるのだが、
まずは全体的な雰囲気から。

まずはフーリエ級数を再掲する。
ここの\(f(x)\)は任意の関数。

\(
\displaystyle f(x)=\frac{a_0}{2}+\sum_{n=0}^\infty (a_n\cos(nx)+b_n\sin(nx))
\)

\(cos,sin\)の組み合わせであらゆる関数が表現できるって理屈になる。

そして、\(a_1\)に着目し、この成分を抽出してみる。

\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle f(x)\cdot\cos(x)&=&\frac{a_0}{2}+\sum_{n=0}^\infty (a_n\cos(nx)+b_n\sin(nx))\cdot\cos(x)\\
&=&\frac{a_0}{2}\cdot\cos(x)+{\color{red}a_1\cos(x)\cdot\cos(x)}+a_2\cos(2x)\cdot\cos(x)+\dots\\&+&b_1\sin(x)\cdot\cos(x)+\dots
\end{eqnarray}
\)

\(cos(x)\cdot\cos(x)\)以外は全部0になるので、以下だけが残る。

\(
\begin{eqnarray}
&=&a_1\cos(x)\cdot\cos(x)\\
&=&a_1\pi\\
\displaystyle\therefore a_1&=&\frac{f(x)\cdot\cos(x)}{\pi}=\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos(x)dx
\end{eqnarray}
\)

こうやって、\(a_1\)という係数が求められる。
ちなみにベクトルの形式で抽出を表現すると以下になる。

\(
\begin{bmatrix}
\displaystyle\frac{a_0}{2}&a_1\cos(x)&a_2\cos(2x)&\dots&b_1\sin(x)&\dots
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
0\\\cos(x)\\0\\\vdots\\0\\\vdots
\end{bmatrix}=a_1\pi
\)

次のページへ

次のページでは実際に\(a_n\)を求める式の一般化を行う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました