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はじめに
車両診断通信のネットワーク層の話。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
ISO-TP
データリンク層が終わったから、次はネットワーク層かな。
そうだね。
ちなみにDoCANに於けるネットワーク層とトランスポート層はISO15765-2に記載されているんだけど、
この2つの層を合わせてISO-TPと略されることもある。
ISOに準拠したトランスポート層って意味合いかな?
たぶん、そうだろうね。
DoCANのネットワーク層
Ethnernetでネットワーク層というと、
IPアドレスとかの当りだよね?
DoCANの場合はIPアドレス相当のものってあるの?
あるよ。
物理アドレス、機能アドレスって呼ばれている。
まぁIPアドレスよりかはMACアドレスに近いかな。
ちなみに、
物理アドレス送信がユニキャスト(1対1通信)相当。
機能アドレス送信がブロードキャストまたはマルチキャスト(1対多通信)相当。
になる。
どんな感じのルールになるの?
以下4種類のアドレッシングフォーマットがあるね。
- Normal Addressing
- Normal fixed addressing
- Extended addressing
- Mixed addressing
4種類って・・・。
なぜ1種類じゃないんだ・・・。
まぁそれぞれ載せる情報のボリュームが違う感じかな。
シンプルな仕様もあれば、複雑なものもある。
要はネットワークの複雑さに応じて適切なものを選ぶイメージ。
なんかASAM仕様の時にも同じようなこと聞いた気がするな。
そうだね。
PCネットワークと異なり、車載ネットワークは
コスト、サイズ、省電力の都合で処理能力が低いのも混じってくる可能性高い。
ここらへんのバランスを取るためにも、通信仕様もバランスを取れるように仕様にある程度の幅が必要となる。
まずは物理アドレス、機能アドレスから知った方がよいのかな?
アドレッシングフォーマットから知ったほうがよいのかな?
まぁ両方かな。
両方って。
アドレッシングフォーマットの中で物理アドレス、機能アドレスが決定するのもあるんで、
切り離して語るってのはできないかな。
むぅ。ならば両方同時に理解するしかないか。
アドレッシングフォーマットで使われるパラメータ
というわけで、
アドレッシングフォーマット、物理アドレス、機能アドレスを教えて。
その前に一回認識してもらっておいた方が良いものがある。
アドレッシングフォーマットの前に以下のパラメータを知っておく必要がある。
表にまとめてみた。
名称 | ISO説明 | 概要 |
---|---|---|
N_AI | network address information | アドレス情報 |
N_TAtype | network target address type | 宛先タイプ |
N_TA | network target address | 送り先 |
N_SA | network source address | 送り元 |
N_AE | network address extension | 拡張アドレス |
うーん、送り先、送り元はなんとなくわかるけど、
他は何かイメージ湧かないね。
あぁそうだろうね。
先に説明した、アドレッシングフォーマットによって
使ったり使わなかったりで、
N_AIやN_AEに至っては特に定まってないからね。
ということはこれを先に知った方が良いって話になるのか・・・。
そうでもないよ。
アドレッシングフォーマットの中に組み込まれている物なんで、
一緒に覚えてしまおう。
まぁ具体的なアドレッシングフォーマットの話は次回かな。
まとめ
まとめだよ。
- 1対1通信の物理アドレスと1対多の機能アドレスがある。
- 物理アドレス、機能アドレスは4種類のアドレッシングフォーマットによって構成が変わる
- アドレッシングフォーマットはN_AI、N_TAtype、N_TA、N_SA、N_AEで構成される。
- ただし、アドレッシングフォーマットによって使ったり使わなかったり。
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