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はじめに
ISO14229ことUDSの話。
ReadDataByIdentifierサービスについて。
登場人物
博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
ReadDataByIdentifierサービス

今回はReadDataByIdentifierサービス。

車両の制御情報とかの読み出しができるんだっけ?

そうだね。
制御情報だけではなく、故障情報、識別情報とか様々な情報が対象になるけど。

これも具体的な利用シーンとかあるんでしょ?

これに関してはいろいろありすぎるくらいだねー。
まぁ軽く説明しようか。
ReadDataByIdentifierサービスの利用シーン

利用シーンは大雑把に以下。
- 車両の状態モニタ(開発中の検証、市場に出た後の不具合解析)
- 車両組み立て時の強制動作状態監視
- 故障検知時のフリーズデータ取得

なんか今までと比べると随分広範囲な印象だなー。

まぁ何かしらの情報を読み出すっての機能なんで、
欲しい情報があるシーンでは必ず登場するようなサービスだね。

それぞれのシーンで取れるデータの性質とかはどんな感じなの?

完成車メーカ依存だからなー。
私の経験則の範囲の話で良ければ。

うん。
それでいいよー。
車両の状態モニタ

車両の状態モニタの対象は車速、エンジン回転数、水温、点火タイミング、燃料噴射時間とかいろいろ。

車両がどう動いているかってのがわかる感じかな?

そうだね。
IGon/off、加速/減速、燃料カット、ブレーキとか割と重要かな?
そこらへんをトリガにどこかしらが故障したり異常値が出たりするんで。

不具合や異常値が出た際は解析しないといけないからね。
原因が分かるようなデータである必要はあるよねー。
車両組み立て時の強制動作状態監視

次は「車両組み立て時の強制動作状態監視」だけど、
これはInputOutputControlByIdentifierサービスことI/O制御要求との連携だね。

というと?

例えば、
エンジンのとあるバルブの開閉をInputOutputControlByIdentifierサービスで指定した時に、今回のReadDataByIdentifierサービスで読み出して、ちゃんと動いたか確認する。
って使い方。

おー、なるほどー。
自動確認できるってことだね。

まぁ実際は目視確認もしてるとは思うけどね。
故障検知時のフリーズデータ取得

そして、「故障検知時のフリーズデータ取得」。
これは・・・まんまだね。

フリーズデータって、OBDとかで読めるのと一緒?

考え方は一緒だけど、OBDで定義されている以上の完成車メーカ依存のパラメータも含まれていると思う。

おー。
ということは、さらに詳細な故障時の情報が得られるって感じか。

そうだね。
ここらへんのパラメータは各完成車メーカの過去の不具合事例とか制御特性から決まるんで、必ずこれってものは無いけど、「車両の状態モニタ」で取れそうな値は保持しているだろうねー。

ふーん。

次回はReadDataByIdentifierサービスの実際のメッセージの話かな。
まとめ

まとめだよ。
- ReadDataByIdentifierサービスの利用シーンを説明。
- 車両の状態モニタ(開発中の検証、市場に出た後の不具合解析)。
- 車両組み立て時の強制動作状態監視。
- 故障検知時のフリーズデータ取得。
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