バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/diagnostic-communication-backnumber/
はじめに
ISO14229ことUDSの話。
A-COMSTACKとは別のオープンソースなAUTOSARについて。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
AUTOSAR-DCM

前回で、各サービスの話は終わったと思うのだけど、
そうすると次はシミュレーションに向けての話になるのかな?

そうだねー。

確かAUTOSAR-CanTpはISO15765-2を実現している機能で、
今回のUDSことISO14229は自分で作りこむ感じになるのかな?

作りこむ部分もあるんだけど、
ISO14229を実現しているAUTOSAR-BSWも存在する。

え?そうなの?
名称はあるの?

名称はDCM(Diagnostic Communication Manager)。

おー。
じゃーそれを使えばOKだね。
オープンソースなAUTOSAR-DCM

話の流れからすると、A-COMSTACKにDCMが含まれているんだよね?
だったら楽勝じゃん!!

A-COMSTACKにはDCMは含まれてないんだなーこれが。

ダメじゃん!
どうするの?!

今回もオープンソースなAUTOSARに頼る。

え?あるの?

OpenSARってのがある。
OpenSAR

これってライセンス的にはどうなるの?

特に明言されてはいないのだけど、
恐らくA-COMSTACKと同じく、
商用利用する場合はAUTOSARパートナーである必要はあるんだと思う。

じゃー、今回も勉強用と割り切るか。

ふと思ったのだけど、
このOpenSARってCanTpは含まれていないの?

含まれてるよ。

あれ?
だったら、最初からこれ使えば良かったんじゃない?

まぁそれでも良かったんだけど、
一点ちょっとした問題があってねー。

なにが問題なの?

現状ではとりあえず秘密だ。
OpenSARの経緯

ちょっとOpenSARの経緯について、推測交えて説明しておく。

推測?

うん。
知らない間にいろいろあったみたいで、確証を得る情報ソースが無かったんで推測が入る。

大体こんな経緯。
- 元々はスウェーデンのArcCore AB社が開発。(事実)
- 当時のパッケージ名称は「Arctic Core」。(事実)
- 「Arctic Core」はAUTOSAR r3.x版とr4.x版が存在し、r3.x版がオープンソースとして公開。(事実)
- その後、 ArcCore AB社がVector社の100%子会社化。(事実)
- 「Arctic Core」r3.xはオープンソースとして公開済みであったため「OpenSAR」と名を変えてオープンソースなまま今に至る。(推測)

最後のが推測なんだね。

私が最初に知ったのは「Arctic Core」の時代で、
ソースコードもArcCore AB社から入手出来てたんだよね。
気が付いたら、ArcCore AB社がVector社の子会社になってて、
え?ソースコードどこいったの?って探したらOpenSARに行き着いたわけだ。

なかなかすごい話だね。

次回はシミュレーション構成の話かなー。
結構特殊なことになるんで。

いや、あんまり変なことはしないでよ・・・。
まとめ

まとめだよ。
- ISO14229に対応するAUTOSAR-BSWはDCM。
- A-COMSTACKにはDCMは含まれていない。
- OpenSARという別のオープンソースAUTOSARがあり、それにはDCMが含まれている。
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