はじめに
※ 本記事の以下を親記事とした子記事に位置付けられる。
https://www.simulationroom999.com/blog/physical-value-conversion/
エアフロメータから吸気流量を得るために必要な変換を考える。
課題提起
エアフロメータ出力電圧は吸気流量ではなく吸気流速\([L/sec]\)に対して取得される。
燃料噴射制御としては吸気流量\([g]\)が必要。
(吸気流量\([g]\)を元に理論空燃比(\(14.7:1\))から基本燃料噴射量を推定したいため)
なんとかしてエアフロメータからの情報を元に
燃料噴射制御へ吸気流量\([g]\)を渡す仕様を考えなければならない。

各種パラメータ
吸気流速\([L/sec]\)以外のパラメータは以下とする。
エアフロメータ出力電圧取得タイミング:\(30°\)毎
吸気工程周期:\(24[msec]\)
吸気工程クランク周期:\(2[round]\)
大気圧:\(101.325[kPa]\)
大気温度:\(292.00[K]\)
エアフロメータ標準特性は\(STP\)下のものとする。
※\(STP\):\(1mol\)の体積を示す際の標準条件。
標準圧力:\(100.00[kPa]\)
標準温度:\(0[degC]=273.15[K]\)
\(1mol\)の標準体積:\(22.7[L]\)
空気の平均\(mol\)質量:\(28.966[g/mol]\)
必要な変換関数
以下の流れで導出することが自然と思われる。
![吸気流速V_air[L/sec]、F(x)、G(x)、吸気流量G_air[g]、吸気流速V_air[L/sec]、吸気流速M_air[g/sec]、体積質量変換、流速流量変換](https://www.simulationroom999.com/blog/wp-content/uploads/2020/04/03_求め方1-1024x83.png)
以下に置き換える
吸気流速\(V_{air} [L/sec]\) → 吸気流速\(M_{air} [g/sec]\) 変換:\(F(x)\) ※ 体積質量変換
吸気流速\(M_{air} [g/sec]\) → 吸気流量\(G_{air} [g]\)変換:\(G(x)\) ※ 流速流量変換
吸気流速\(V_{air} [L/sec]\) → \(F(x)\) → \(G(x)\) → 吸気流量\(G_{air} [g]\)
![吸気流速V_air[L/sec]、F(x)、G(x)、吸気流量G_air[g]、吸気流速V_air[L/sec]、吸気流速M_air[g/sec]、体積質量変換、流速流量変換](https://www.simulationroom999.com/blog/wp-content/uploads/2020/04/04_求め方2-1024x113.png)
よって、
\(F(x)\)と\(G(x)\) を求めれば良い。
まとめ
- エアフロメータから取得されるのは吸気流量ではなく、吸気流速である。
- しかも、1秒間に透過する体積
- よって、「体積から質量の変換」と「流速から流量の変換」が必要となる。
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