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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その69【複素フーリエ級数①】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その70【複素フーリエ級数②】
を書き直したもの。
前回でオイラーの公式の導出の話が終わったところ。
今回から、複素フーリエ級数に向けての話になる。
オイラーの公式とそれの変形の式を元にcos関数、sin関数を複素指数関数で表現する。
【再掲】複素フーリエ級数に至る道
まずは複素フーリエ級数に至る道を再掲。
- テイラー級数
- マクローリン級数
- 指数関数のマクローリン展開
- cos(x)のマクローリン展開
- sin(x)のマクローリン展開
- オイラーの公式
- 複素フーリエ級数
今回から、複素フーリエ級数に向けての話になる。
cos関数、sin関数を複素指数関数で表現する
話の流れとしては、オイラーの公式を利用して、
複素フーリエ級数を導出するとかって感じ。
まずは、オイラーの公式を再掲しよう
\(
e^{ix}=\cos(x)+i\sin(x)
\)
つまり、指数関数と三角関数の相互変換が可能であることを示している。
これを利用して、cos関数、sin関数を複素指数関数で表現。
そして、そのcos関数、sin関数を使用している実数フーリエ級数に代入を狙う。
オイラーの公式から複素フーリエ級数までのステップ
先にオイラーの公式から複素フーリエ級数までのステップを示しておこう。
- オイラーの公式とそれの変形の式を元にcos関数、sin関数を複素指数関数で表現する。
- 実数フーリエ級数のcos関数、sin関数に上記を代入する。
- 代入した上で頑張って最適化する。
- Σの下限を\(-\infty\)、上限を\(\infty\)にする。
上二つは、なんとなくわかると思うが、
下2つは少しトリッキーな感じになる。
虚数で割ることをどう解釈できるか、
Σと中の関数の符号を反転とか出てくる。
【再掲】オイラーの公式とその変形式
オイラーの公式とその変形式を再掲しておこう。
オイラーの公式
\(
e^{ix}=\cos(x)+i\sin(x)
\)
オイラーの公式の変形式
\(
e^{-ix}=\cos(x)-i\sin(x)
\)
2つの式があり、
求めたいのは\(\cos(x)\)と\(\sin(x)\)という二つの関数。
これを求めるにはどうしたらよいか?
なんとなく連立方程式とかになるような気がする。
\(\cos(x)\)と\(\sin(x)\)という関数に対して解けるのかが微妙な感じもしなくもない。。
結論としては、解きたい対象が関数か変数かは関係ない。
そして、連立方程式を解くには逆行列を使用するの手っ取り早い。
(逆行列を求めれば一撃で求められるのか。)
逆行列でcos関数とsin関数を解く
以下の流れで解ける。
\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
e^{ix}\\e^{-ix}
\end{bmatrix}&=&
\begin{bmatrix}
1&i\\
1&-i
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
\cos(x)\\
\sin(x)
\end{bmatrix}\\
\begin{bmatrix}
\cos(x)\\
\sin(x)
\end{bmatrix}&=&
\begin{bmatrix}
1&i\\
1&-i
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
e^{ix}\\e^{-ix}
\end{bmatrix}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{1(-i)-1i}
\begin{bmatrix}
-i&-i\\
-1&1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
e^{ix}\\e^{-ix}
\end{bmatrix}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{-2i}
\begin{bmatrix}
-i&-i\\
-1&1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
e^{ix}\\e^{-ix}
\end{bmatrix}\\
&=&
\begin{bmatrix}
\displaystyle\frac{1}{2}&\displaystyle\frac{1}{2}\\
\displaystyle\frac{1}{2i}&\displaystyle – \frac{1}{2i}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
e^{ix}\\e^{-ix}
\end{bmatrix}\\
\end{eqnarray}
\)
というわけで、以下2つの式が得らえる
\(
\begin{eqnarray}
\begin{cases}
\displaystyle\cos(x)=\frac{e^{ix}+e^{-ix}}{2} \\
\displaystyle\sin(x)=\frac{e^{ix}-e^{-ix}}{2i} \\
\end{cases}
\end{eqnarray}
\)
cos関数、sin関数を複素指数関数で表現できるということになる。
まとめ
- 実数フーリエ級数を複素フーリエ級数にするためにオイラーの公式を利用する。
- 具体的にはcos関数、sin関数を複素指数関数で表現する。
- オイラーの公式とそれの変形の式を元にcos関数、sin関数を複素指数関数で表現するため、連立方程式を解いた。
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