MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その86【複素フーリエ係数⑪】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その86【複素フーリエ係数⑪】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その86【複素フーリエ係数⑪】

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はじめに

複素フーリエ係数のシリーズ。
前回は\(C_0\)について少し言及する。
その続き。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

【再掲】複素フーリエ係数に至る道

太郎くん
太郎くん

まずは複素フーリエ係数に至る道を再掲。

  • 複素指数関数の積
  • 複素指数関数が直交していない状態
  • 複素指数関数が直交している状態
  • 複素指数関数の直交性の確認
  • 複素フーリエ係数の導出
フクさん
フクさん

今回は\(C_0\)について少し言及する。の続き。

【再掲】フーリエ係数C0の式

フクさん
フクさん

前回の最後で出して、\(C_0\)の式はこれ。

\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}f(x)e^{-i0x}\,dx&=&\int_{-\pi}^\pi C_0 e^{-i0x}\,dx+\dots\\
&=&\int_{-\pi}^\pi C_0 e^0 e^{-i0x}\,dx\\
&=&\int_{-\pi}^\pi C_0\cdot 1 \cdot 1\,dx\\
&=&2\pi C_0\\
\therefore C_0&=&\frac{1}{2\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)\,dx
\end{eqnarray}
\)

太郎くん
太郎くん

で、これが、\(f(x)\)平均だとか言ってたな・・・。

フクさん
フクさん

そうそう。
それを今回解説する。

C0の式を図で見た場合

フクさん
フクさん

まず先ほどの式の中の、以下の部分。

\(
\displaystyle\int_{-\pi}^\pi C_0\cdot 1 \cdot 1\,dx\\
\)

太郎くん
太郎くん

ここから、\(2\pi C_0\)になってるところがわからん。

フクさん
フクさん

前回の最後で出して、\(C_0\)の式はこれ。

-πからπの範囲を1で積分
太郎くん
太郎くん

あ、これは以前見た図だ!
そうか。長方形で考えると良いパターンか!

フクさん
フクさん

だから、\(2\pi C_0\)

C0が平均な訳

フクさん
フクさん

そして、平均だと言ってた式がこれ。

\(
\displaystyle C_0=\frac{1}{2\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)\,dx
\)

太郎くん
太郎くん

普通、平均ってこういう式だよね?

\(
\displaystyle \frac{1}{N}\sum_{i=0}^N
\)

フクさん
フクさん

その認識はただしい。
ただし、その式は離散的な関数に於ける平均だな。

太郎くん
太郎くん

そうすると、連続的な関数に於ける平均があるって言いっぷりだな・・・。

フクさん
フクさん

そして、平均だと言ってた式がこれ。

\displaystyle \lim_{N\to\infty}{\color{red}{\frac{1}{N}\sum_{i=0}^N F_i}} \Delta x=\frac{1}{N}\int_0^Lf(x)\,dx\dots(N=L/\Delta x)
\)

フクさん
フクさん

ちなみに赤文字で示した範囲が一般的というか離散的な関数の平均だ。

太郎くん
太郎くん

なるほど。
連続的だから、総和じゃなくて、積分を使用するのか。

結局C0って何者?

太郎くん
太郎くん

\(C_0\)が平均というのは分かったけど、なんで平均がフーリエ係数に紛れてくるんだ?

フクさん
フクさん

平均と言うと伝わりにくいが、
オフセットと言ったら伝わるかもしれない。
例えば、以下のように連続関数と平均ことオフセットの\(C_0\)を関係を示そう。

連続関数fとC0の関係、f(x)、C_0、π
フクさん
フクさん

連続関数\(f\)は必ずしも0を中心に動いているわけでは無い。
対して、フーリエ級数の元となっている三角関数は0を中心となっており、
オフセットの表現ができない。

太郎くん
太郎くん

なるほど。
連続的だから、総和じゃなくて、積分を使用するのか。

フクさん
フクさん

そうそう。
それが\(C_0\)の位置づけとなる。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • C0の式を図で見た場合。
  • 離散関数の平均と連続関数の平均の関係性。
  • 結局C0は三角関数では表現できない関数のオフセット成分となる。

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