バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/compare-matlabpythonscilabjulia5-backnumber/
はじめに
複素フーリエ係数のシリーズ。
今回は「複素指数関数が直交している状態」を確認。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
複素フーリエ係数
まずは複素フーリエ係数に至る道を再掲。
- 複素指数関数の積
- 複素指数関数が直交していない状態
- 複素指数関数が直交している状態
- 複素指数関数の直交性の確認
- 複素フーリエ係数の導出
今回は「複素指数関数が直交している状態」を確認する。
【再掲】複素指数関数同士の積の積分
前回は、以下の積分について考えた。
\(
\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}e^{imx}e^{-inx}dx=\int_{-\pi}^{\pi}e^{i(m-n)x}dx
\)
m=nの場合の解が0じゃないから、直交じゃないというのがわかった感じだね。
直交している場合
そうすると、今回はm≠nのパターンで、
直交しているかどうかを確認って感じかな。
早速確認してみよう。
\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}e^{i(m-n)x}dx&=&\frac{1}{i(m-n)}\Big[e^{i(m-n)x}\Big]_{-\pi}^{\pi}\\
&=&\frac{1}{i(m-n)}(e^{i(m-n)\pi}-e^{-i(m-n)\pi})
\end{eqnarray}
\)
ここでオイラーの公式とその変形式を利用する。
\(
\begin{eqnarray}
e^{in\pi}=\cos(n\pi)+i\sin(n\pi)\\
e^{-in\pi}=\cos(n\pi)-i\sin(n\pi)\\
\end{eqnarray}
\)
\(n\)は整数が入るため、\(n\pi\)は\(\pi\)の倍数となる。
この場合、
\(\sin(n\pi)\)は必ず0となる。
つまり虚数部は必ず0となる。
\(\cos(n\pi)\)は\((-1)^n\)となる。
よって、以下に整理できる。
\(
\begin{eqnarray}
e^i{m-n}\pi-e^{i(m-n)\pi}&=&(-1)^{m-n}-(-1)^{m-n}=0\\
\therefore\int_{-\pi}^{\pi}e^{i(m-n)x}x&=&0
\end{eqnarray}
\)
0になった。
と言うことは内積が0ということで、
n≠mの時は直交しているってことだね。
そうそう。
まとめ
まとめだよ。
- 複素指数関数の積で直交するパターンを確認。
- 結論としてはn≠mの時に直交する。
- オイラーの公式と三角関数の性格から特定ができる。
バックナンバーはこちら。
マンガでわかるフーリエ解析
手を動かしてまなぶ フーリエ解析・ラプラス変換
物理数学 量子力学のためのフーリエ解析・特殊関数
単位が取れるフーリエ解析ノート
今日から使えるフーリエ変換 普及版 式の意味を理解し、使いこなす
コメント