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はじめに
フーリエ係数に至る道。
今回は三角関数cos同士の直交性についての説明。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】フーリエ係数に至る道
まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。
- 偶関数
- 奇関数
- 関数の内積
- 三角関数の加法定理
- 三角関数の積和公式
- 重要な極限値
- 三角関数の直交性
- フーリエ係数
今回は三角関数cos同士の直交性についての説明をする。
cos同士の内積と定積分
前回までで、sin同士の直交性の話だったから、
cos同士もあるって感じかな。
そうだね。
まずは、cos同士の内積と定積分を示そう。
例によって、m,nはとある自然数だ。
\(
\displaystyle\cos(mx)\cdot\cos(nx)=\int_{-\pi}^{\pi}\cos(mx)\cos(nx)dx
\)
まぁ、雰囲気としては、sin関数の時と一緒だね。
積和公式を思い出す。
そして、cos同士の積和公式をここで思い出す。
\(
\displaystyle\cos(mx)\cos(nx)=\frac{\cos\{(\alpha+\beta)x+\cos\{(\alpha-\beta)x\}}{2}
\)
これを定積分のところに放り込むわけだな。
定積分を解いていく
あとはいい感じに最適化していく。
\(
\begin{eqnarray}
&&\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx=\int_{-\pi}^{\pi}\frac{\cos\{(m+n)x\}+\cos\{(m-n)x\}}{2}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2}\bigg[\frac{1}{m+n}\sin\{(m+n)x\}-\frac{1}{m-n}\sin\{(m-n)x\}\bigg]_{-\pi}^{\pi}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi\}-\sin\{-(m-n)\pi\}]+\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi-\sin\{-(m-n)\pi\}\}]
\end{eqnarray}
\)
ここで、sinは奇関数であり、入力の極性はそのままsin関数の外側に出せることを利用して変形する。
\(
\begin{eqnarray}
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi\}+\sin\{(m+n)\pi\}]+\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi+\sin\{(m-n)\pi\}\}]\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m+n)}[2\sin\{(m+n)\pi\}]-\frac{1}{2(m-n)}[2\sin\{(m-n)\pi]\\
&=&\displaystyle\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}+\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}
\end{eqnarray}
\)
そして、\(n,m\)が自然数である場合、
sin関数の入力は\(\pi\)の整数倍だ。
円で考えると、\(0^\circ,180^\circ\)の時のsinになり、
この場合、sinは必ず0になる。
こっちも結局はsinの組み合わせの関数になるから、同じように0になるのか。
先ほどの式で考えると以下になる。
\(
\displaystyle\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}+\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}=0
\)
これで、cos同士の内積も0であることが証明されたわけだ。
まぁ、n=mの時の話が残ってるけどねー。
まとめ
まとめだよ。
- cos関数同士の直交性を確認。
- cos同士の積和公式の定積分を元に解いていく。
- 最終的にはsinが0になるので、内積の結果も0となる。
- 結果としてcos関数同士は直交していることになる。
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