MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その28【三角関数の直交性③】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その28【三角関数の直交性③】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その28【三角関数の直交性③】

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はじめに

フーリエ係数に至る道。
今回は三角関数sin同士の直交性についての説明。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

【再掲】フーリエ係数に至る道

太郎くん
太郎くん

まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。

  • 偶関数
  • 奇関数
  • 関数の内積
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の積和公式
  • 重要な極限値
  • 三角関数の直交性
  • フーリエ係数
フクさん
フクさん

今回は三角関数sin同士の直交性についての説明をする。

とりあえずそういうものだ。

太郎くん
太郎くん

前回はsinとcosの直交性の話をしたけど、
今回はsin関数同士ってこと?

フクさん
フクさん

そうそう。
割と長めの数式が出てくるけど、
よくわからなかったら、とりあえずそういうものだと飲み込むことだな。

太郎くん
太郎くん

(不穏すぎる・・・。)

sin同士の直交性

フクさん
フクさん

まずは、sin同士の直交性を見るために
内積と畳み込み積分を確認する。
ここで出てくる\(m,n\)は、とある自然数とする。

\(
\displaystyle\sin(mx)\cdot\sin(nx)=\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx
\)

太郎くん
太郎くん

ここは前回と同じノリだ。

積和公式を思い出す

フクさん
フクさん

そして、以前やった積和公式を思い出す。

\(
\displaystyle\sin(\alpha x)\sin(\beta x)=\frac{\cos\{(\alpha-\beta)x\}-\cos\{(\alpha+\beta)x\}}{2}
\)

太郎くん
太郎くん

あ!
定積分の中のsin同士の積と同じ形か!

定積分を解いていく

フクさん
フクさん

あとはいい感じに最適化していく。

\(
\begin{eqnarray}
&&\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)dx=\int_{-\pi}^{\pi}\frac{\cos\{(\alpha-\beta)x\}-\cos\{(\alpha+\beta)x\}}{2}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2}\bigg[\frac{1}{m-n}\sin\{(m-n)x\}-\frac{1}{m+n}\sin\{(m+n)x\}\bigg]_{-\pi}^{\pi}\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi\}-\sin\{-(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi-\sin\{-(m+n)\pi\}\}]
\end{eqnarray}
\)

フクさん
フクさん

ここで、sinは奇関数であり、入力の極性はそのままsin関数の外側に出せることを利用して変形する。

\(
\begin{eqnarray}
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[\sin\{(m-n)\pi\}+\sin\{(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[\sin\{(m+n)\pi+\sin\{(m+n)\pi\}\}]\\
&=&\displaystyle\frac{1}{2(m-n)}[2\sin\{(m-n)\pi\}]-\frac{1}{2(m+n)}[2\sin\{(m+n)\pi]\\
&=&\displaystyle\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}-\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}
\end{eqnarray}
\)

フクさん
フクさん

そして、\(n,m\)が自然数である場合、
sin関数の入力は\(\pi\)の整数倍だ。
円で考えると、\(0^\circ,180^\circ\)の時のsinになり、
この場合、sinは必ず0になる。

太郎くん
太郎くん

確かに\(0^\circ,180^\circ\)の時は0だ。

フクさん
フクさん

つまり、先ほどの式で考えると以下になる。

\(
\displaystyle\frac{\sin\{(m-n)\pi\}}{m-n}-\frac{\sin\{(m+n)\pi\}}{m+n}=0
\)

太郎くん
太郎くん

0ということは・・・
sin関数同士も直交してるってことになるのか。

フクさん
フクさん

正解。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • sin関数同士の直交性を確認。
  • sin同士の積和公式の定積分を元に解いていく。
  • 最終的にはsinが0になるので、内積の結果も0となる。
  • 結果としてsin関数同士は直交していることになる。

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