バックナンバーはこちら。
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はじめに
フーリエ係数に至る道。
今回は重要な極限値について説明の続き。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】フーリエ係数に至る道
まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。
- 偶関数
- 奇関数
- 関数の内積
- 三角関数の加法定理
- 三角関数の積和公式
- 重要な極限値
- 三角関数の直交性
- フーリエ係数
今回は重要な極限値の説明の続きになる。
【再掲】不等式のはさみうちの原理の結果
前回求めたものはこれだ。
\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1 > \frac{\sin(x)}{x} &>& \cos(x) \\
\displaystyle \lim_{x\to0}\cos(x)&=&1\\
\displaystyle \lim_{x\to0}\frac{\sin(x)}{x}&=&1\dots(不等式のはさみうち原理により)
\end{eqnarray}
\)
はさみうちの原理ってなんだ?
はさみうちの原理
はさみうちの原理についてはWikipediaを引用しよう。
はさみうちの原理(はさみうちのげんり)は、極限に関する定理の一つ。おおまかには、同じ極限値を持つ2つの関数に挟まれた第3の関数も同じ極限値を持つという主張である。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%95%E3%81%BF%E3%81%86%E3%81%A1%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%90%86)
これ見てもよくわからん・・・。
ポイントは、以下の式だな。
\(
\displaystyle 1 > \frac{\sin(x)}{x} > \cos(x)
\)
ここで、\(\cos(0)\)は\(1\)になる。
よって、\(\frac{\sin(x)}{x}\)も\(1\)に収束しないと辻褄が合わない。
って理屈だな。
なるほど。
言われてみれば確かにそうだ。
sinc関数
今回扱った、\(\displaystyle\frac{\sin}{x}\)は
通称sinc関数と呼ばれるものだ。
そういう名前が付いているってことは割と重要な関数ってことになるのかな?
今回のフーリエ係数にとっても重要なのだが、
ディジタル信号処理に於いても重要な関数のようだな。
まぁ、今回はそこには触れないが、
どのような波形になるかは確認しておこう。
確かに数式だけだされてもよくわからんよね。
MATLABコードで書くとこんな感じだな。
sinc = @(x) sin(x)./x
x=-50:0.01:50
plot(x,sinc(x))
grid
そして処理結果
確かにxが0時は1になってるっぽいね。
実際は、MATLABで演算した場合、sin(0)/0はNaNになるのだが、
0近辺が1に限りなく近いことはわかるだろう。
ちなみにPythonだと以下のコードだ。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
def sinc(x):
return np.sin(x)/x
x = np.arange(-50, 50, 0.01)
plt.plot(x, sinc(x))
plt.grid(True)
plt.show()
まとめ
まとめだよ。
- はさみうちの原理について説明。
- sinc関数について説明&MATLABでプロットしてみた。(Pythonコードも)
バックナンバーはこちら。
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