MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その11【複雑な定積分①】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その11【複雑な定積分①】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その11【複雑な定積分①】

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はじめに

フーリエ係数に至る道。
今回は偶関数と奇関数を利用した数学パズル。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

【再掲】フーリエ係数に至る道

太郎くん
太郎くん

まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。

  • 偶関数
  • 奇関数
  • 関数の内積
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の積和公式
  • 重要な極限値
  • 三角関数の直交性
  • フーリエ係数
フクさん
フクさん

今回は偶関数と奇関数を利用した数学パズル。

数学パズル?

太郎くん
太郎くん

数学パズルとは何ぞや・・・。

フクさん
フクさん

以下の数式を解く話だな。

\(
\displaystyle\int_{-2}^2\Big(x^3\cos(2x)+\frac{1}{2}\Big)\sqrt{4-x^2}dx
\)

太郎くん
太郎くん

こんなん解けるかーーーー!!!!

フクさん
フクさん

偶関数と奇関数の特性を利用すると一撃で解ける。

太郎くん
太郎くん

(マジかよ・・・。)

大雑把な解き方

フクさん
フクさん

細かい数式を書いていくとアレルギーが出るかもしれないから、
まずは大雑把に雰囲気で解いてみよう。

太郎くん
太郎くん

(雰囲気で解けるんか・・・。)

フクさん
フクさん

まず、\(x^3\)と\(\cos(2x)\)に着目しよう。
\(x^3\)は奇関数。
\(\cos(2x)\)は偶関数。
つまり、\(x^3\cos(2x)\)は奇関数になる。

太郎くん
太郎くん

前回の話を加味するとそうなるね。

フクさん
フクさん

このまま奇関数で、2から-2の積分を考えるとどうなるか?

太郎くん
太郎くん

あ!奇関数で原点から同じ幅の定積分だから0になるのか!

太郎くん
太郎くん

でも、\(\sqrt{4-x^2}\)がかかるから、結果的に奇関数になるかはわからんな・・・。
もし、\(\sqrt{4-x^2}\)が偶関数なら奇関数になって消えてくれて助かるんだけど・・・。

フクさん
フクさん

結果から言うと、\(\sqrt{4-x^2}\)は半円の方程式と言うもので、偶関数になる。
三平方の定理から求められる方程式だな。

\(
\begin{eqnarray}
r^2&=&x^2+y^2\\
y&=&\sqrt{r^2-x^2}\\
y&=&\sqrt{4-x^2}=\sqrt{2^2-x^2}\\
\end{eqnarray}
\)

フクさん
フクさん

つまり、原点を中心とした半径2の半円を描く関数と言うことになる。
半円は線対称。つまり、偶関数になる。
まぁ、ここらへんの細かい話は後日説明しよう。

太郎くん
太郎くん

とすると、\(x^3\cos(2x)\sqrt{4-x^2}\)は奇関数だから0になるのか。
そうすると、残りはこれになるのか。

\(
\displaystyle\int_{-2}^2 \frac{1}{2}\sqrt{4-x^2}
\)

フクさん
フクさん

\(\sqrt{4-x^2}\)は偶関数だ。
つまり、-2から2の定積分は、0から2の定積分を2倍にしたものになる。

\(
\displaystyle\int_0^2 2 \frac{1}{2}\sqrt{4-x^2}=\int_0^2 \sqrt{4-x^2}
\)

太郎くん
太郎くん

あ、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)も消えた。

フクさん
フクさん

0から2の範囲の\(\sqrt{4-x^2}\)は半径2の円の四分円。
つまり、半径2の円の面積を4分の1にすればOK。

\(
\displaystyle\frac{\pi r^2}{4}
\)

フクさん
フクさん

\(r^2=4\)。
よって、

\(
\displaystyle\frac{\pi 4}{4}=\pi
\)

太郎くん
太郎くん

4も消えて\(\pi\)だけが残った!

フクさん
フクさん

これが、最初の定積分の解となる。

太郎くん
太郎くん

偶関数、奇関数ヤベェ!!!

フクさん
フクさん

まぁ、今回は雰囲気重視で解いたが、
これをもう少しまじめに解こう。

太郎くん
太郎くん

(いや、雰囲気だけでOKなんだが・・・。)

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • 偶関数、奇関数を駆使する数学パズルを実施。
  • 細かいことは置いておいて、雰囲気のみでざっくり解説。
  • 奇関数が確定すれば0にできる。
  • 偶関数が確定すれば線対称を利用して積分範囲を半分にした上で2倍にすればOK。

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