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はじめに
アフィン変換のアフィン行列の合成の話。
今回はMATLABで実施する。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】プログラムで実現したいアフィン行列の合成
やっとプログラミングの話になったぁー。
実現したいアフィン行列の合成を再掲しておこう。
伸縮、移動、回転、剪断の順番で合成している。
といっても今回は、剪断は実施しないけど。
\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix} \\
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)
そして実際にはアフィン逆変換なので、以下の式を利用することになる。
\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}\\
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)
これをMATLABで実現する。
これを導出するまでが異様に長かった・・・。
MATLABコード
以下がMATLABコードになる。
canvas_expansion.m
function img = canvas_expansion(img, x, y)
[H, W] = size(img);
WID = W+x;
HID = H+y;
e_img = zeros(HID, WID);
e_img(int32((HID-H)/2)+1:int32((HID+H)/2), int32((WID-W)/2)+1:int32((WID+W)/2)) = img;
img = e_img;
end
affine_transformation.m
function affine_img= affine_transformation(img, matrix)
% 画像サイズ取得
[hight, width] = size(img);
% 中心を0とした座標系を生成
x_axis = linspace(-1, 1, width);
y_axis = linspace(-1, 1, hight);
[xim,yim] = meshgrid(x_axis, y_axis);
% 座標x',y',1の3次元ベクトルの配列
% n(:)表記で列ベクトル化したあとに転置して行ベクトル化
points = [xim(:)';yim(:)'; ones(1, size(xim(:),1))];
% 変換元座標算出(アフィン逆変換)
points_affine = matrix * points;
% 画像と同一形状の2次元配列に変換元座標配列を生成
dx = reshape(points_affine(1,:),[hight width]);
dy = reshape(points_affine(2,:),[hight width]);
% 変換元座標をピクセル位置に変換
v = uint32(fix(min(max((dx+1)*width/2, 1), width )));
h = uint32(fix(min(max((dy+1)*hight/2, 1), hight )));
% 元画像と変換元座標を元に変換先へコピー
affine_img = img(h+(v-1)*hight);
end
affine_transformation_test.m
function affine_transformation_test()
img = imread('dog.jpg');
r = img(:,:,1);
g = img(:,:,2);
b = img(:,:,3);
% SDTVグレースケール
img = uint8(fix(0.2990 * r + 0.5870 * g + 0.1140 * b ));
img = canvas_expansion(img, 800, 800);
sx = 1;
sy = -1;
tx = 0.5;
ty = 0;
theta = 150/180*pi;
mx = tan(0/180*pi);
my = tan(0/180*pi);
scaling_matrix = inv([ sx 0 0;
0 sy 0;
0 0 1]);
translation_matrix = inv([ 1 0 tx;
0 1 -ty;
0 0 1]);
rotation_matrix = [ cos(theta) -sin(theta) 0;
sin(theta) cos(theta) 0;
0 0 1];
shear_matrix = inv([ 1 -mx 0;
-my 1 0;
0 0 1]);
matrix = scaling_matrix*translation_matrix*rotation_matrix*shear_matrix; %#ok<MINV>
affine_img = affine_transformation(img,matrix);
% グレースケール画像表示
imagesc(affine_img);
colormap(gray);
% グレースケール画像の書き込み
imwrite(uint8(affine_img), 'dog_affine.jpg');
end
処理結果
処理結果は以下。
考察
おー!
ちゃんとそれっぽい!
少し分かりにくいかもしれないが、
上限反転、中心から端までの距離の半分を移動、そこから150°回転
あまり気にしてなかったけど、回転行列に渡す角度は度数法じゃなくて弧度法か。
そうそう。
よって、180で割ってπを掛けている。
剪断はしてないけど、行列としては掛けてるね?
\(\tan(0)=0\)なんで剪断行列は単位行列と同じになる。
よって、掛けても何も変化がない。
なるほど。
そういう意味では最初に変換の順番が決まってるなら、
とりあえず各行列を掛けるような処理にしておいてOKってことか。
そうそう。
まとめ
まとめだよ。
- MATLABでアフィン行列の合成を確認。
- 問題無く動作。
- 回転行列内の三角関数に渡す角度は度数法ではなく弧度法。
- 180で割ってπを掛ける。
- 変換しない際は単位行列になるようにしておけば、掛けても影響はない。
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