G検定超入門 とりあえず公式例題を解いてみる#1

G検定超入門 とりあえず公式例題を解いてみる#1 G検定
G検定超入門 とりあえず公式例題を解いてみる#1

G検定対策のまとめ記事はこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/jdla-deep-learning-for-general-2020-1/

はじめに

知人からの、
「JDLAで公開されてるG検定の例題って結局答え何になんの?」
という問いが発端で試しに解いてみた。
という感じ。
あまり気にしてい無かった、地味に良問多くね
結構悩まされたし、割と良いポイントを攻めてる例題になっていると思う。
ただし、強化学習、法律、最近の動向関連については例題では触れられていないので、
別途対策は必要だろう。

G検定 法律問題対策

G検定 強化学習対策

というわけで、私の方で例題を解いてみた解答をまとめてみた。
公式解答は無いので、答え合わせはできないが、
一応、調べなおしたり、これが答えだという根拠も併記するので、
興味ある方は参考にどうぞ。
よって、「100%あってる!」という保証はできませぬ
しかも結構判断に迷う問題がちょいちょい出てくる・・・。

本記事では全18問中の
人工知能をめぐる動向 2問
人工知能分野の問題 2問
の合計4問まで。

G検定 公式例題

その他の例題

機械学習の具体的手法 4問、ディープラーニングの概要 3問の計7問

ディープラーニングの手法 5問、ディープラーニングの研究分野 2問の計7問

人工知能をめぐる動向(1問目)

問題

Q. 以下の文章を読み、空欄に最もよく当てはまる選択肢をそれぞれ1つずつ選べ。

第一次AIブームは1950年台に起こった。この頃に人工知能と呼ばれたプログラムは(ア)をもとに問題を解いていた。特に、1996年にIBMが開発した(イ)は、チェスの世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフに勝利したことで有名である。しかし、ルールや設定が決まりきった迷路やパズルゲームなどの(ウ)と呼ばれる問題しか解けないという課題があったために、研究は下火になった。

(ア)
1. 知識表現
2. 表現学習
3. 機械学習
4. 探索・推論

(イ)
1. Deep Blue
2. Bonkras
3. Ponanza
4. Sharp

(ウ)
1. A/Bテスト
2. パターンマッチング
3. トイ・プロブレム
4. ダートマスワークショップ

G検定の例題(https://www.jdla.org/certificate/general/issues/)

解答

(ア) 4. 探索・推論
(イ) 1. Deep Blue
(ウ) 3. トイ・プロブレム

解説

(ア)
第一次AIブームは「探索・推論の時代」と呼ばれているので、4が正解となる。
第二次AIブームが「知識表現の時代」、第三次AIブームが「機械学習の時代」と呼ばれている。
表現学習は機械学習を行うにあたって、「特徴の検出を自動で発見できる手法の総称」となる。

(イ)
IBM」「チェスの世界チャンピオンに勝利」ということで「1. Deep Blue」が正解。
Bonkras(ボンクラーズ)は将棋プログラム「Bonanza」(ボナンザ)をベースしたもの。
現在は「Puella α」というのが正式名称のようである。
Ponanza(ポナンザ)も将棋プログラム。
Sharpは調べてみたが、類似のゲームAIは見つからなかった。

(ウ)
第一次AIブームの限界を指示した問題として「トイ・プロブレム」。
「おもちゃの問題」とも言われる。(直訳しただけだと思う)
「A/Bテスト」はWebマーケティングなどでAパターン、Bパターンを用意した上でより良い成果を模索する手法を指しており、ここの問題としては無関係。
「パターンマッチング」は(画像なども含めた)データのパターンが一致する箇所を特定する手法。よって、これも無関係。
「ダートマスワークショップ」はおそらくダートマス会議のことで、人工知能という学術研究分野を確立した会議の通称。
ダートマス会議のことを「ダートマスカンファレンス」「ダートマスワークショップ」と言ったりするので、こういった表現の揺れはなんとなくで覚えておいた方が良いかもしれない。

人工知能をめぐる動向(2問目)

問題

Q. 国際的な画像認識コンペティション“ILSVRC2012”について、正しいものをすべて選べ。

1. 画像認識は、2017年現在でディープラーニングが最も高い精度を実現できるタスクである。
2. ImageNetとは、手書き文字認識のためのデータセットである。
3. 優勝チームはトロント大学のジェフリー・ヒントン教授率いるSuperVisionである。
4. このコンペティションであげられた成果は、「人工知能研究50年来のブレイク・スルー」と称された。

G検定の例題(https://www.jdla.org/certificate/general/issues/)

解答

たぶん、3のみ?

解説

1は書いている内容は正しいのだが、「“ILSVRC2012”について」という縛りに於いては違うのでは?
というのが私の所感。

2は、そもそも間違いで、手書き文字識別データセットは「mnist」になる。
ILSVRC2012で使用された大規模な画像データセットがImageNetというのはあってる。

3は正しい。
少しいやらしい問題で、「ILSVRC2012」「優勝」「ジェフリー・ヒントン」と来ると使用したモデルの「AlexNet」を思い浮かべ、ここで出てきてる「SuperVision」って「AlexNet」の間違いでは?と思わせるのだが、「SuperVision」は「ジェフリー・ヒントン」が率いた「チーム名」なので、間違ってはいない。

4は正直悩ましい。
「人工知能研究50年来のブレイク・スルー」はディープラーニングを指して言われる言葉ではあるのだが、
そのディープラーニングの成果の一つがILSVRC2012の結果とも言える。
これを考えると正しいように見える。
ただ、ディープラーニング自体は2006年からあることと、
その成果は「ILSVRC2012」に限らず、同時期の「Googleの猫」などもあることから、私は不適切と解釈した。
『この成果は「人工知能研究50年来のブレイク・スルー」と称される理由の一つである。』
『ここで利用されたディープラーニング技術は「人工知能研究50年来のブレイク・スルー」と称された。』
だったら正しいと言えるかも?

人工知能分野の問題(1問目)

問題

Q. 以下に挙げる用語は、第二次AIブームが起こった際に取り上げられた問題である。それぞれの問題の説明としてふさわしいものをそれぞれ1つずつ選びなさい。

(ア)フレーム問題
(イ)シンボルグラウンディング問題

1. 人間の持つ膨大な知識を体系化することが難しい。
2. 膨大な情報のうちから、必要なものだけを選んで考慮することが難しい。
3. 単語などの記号と、それの表す意味を結びつけることが難しい。
4. 膨大な知識を処理するための計算機の開発が難しい。
5. 十分なデータを取るためのインターネットを整備することが難しい。

G検定の例題(https://www.jdla.org/certificate/general/issues/)

解答

(ア) 2
(イ) 3

解説

(ア)フレーム問題は「限られた処理能力しかない人工知能は、現実に起こりうる問題すべてに対処することができない問題」のこと。
つまり、該当するのは2となる。
このフレーム問題は、「爆弾とロボット」を例に語られることが多い。

(イ)シンボルグラウンディング問題は「記号システム内のシンボルがどのようにして実世界と意味と結びつけられるかという問題」のことで、該当するのは3となる。
例としては「シマウマ
人間は「シマ模様」と「ウマ」の組み合わせで「シマウマ」を連想できるが、AIにはそれが難しいという話。

人工知能分野の問題(2問目)

問題

Q. 「強いAI・弱いAI」に関する説明として適切なものを2つ選べ。

1. 「強いAI」は、エキスパートシステムと呼ばれ、現在でも広く実用されている。
2. AGI(Artificial General Intelligence: 汎用人工知能)と呼ばれるものは、「強いAI」により近いものである。
3. 本来の意味での「人間のように考えるコンピュータ」が開発されたことが、第3次人工知能ブームのきっかけである。
4. 国際的な画像認識のコンペティションでは、「弱いAI」が人間を超える識別性能を実現している。

G検定の例題(https://www.jdla.org/certificate/general/issues/)

解答

2と4

解説

1について
まず「強いAI」はまだ存在していない。実は秘密裏に完成しているかもしれないが、少なくとも実用化はされていない
さらにエキスパートシステムは「専門知識のない素人あるいは初心者でも専門家と同じレベルの問題解決が可能となるよう、その領域の専門知識をもとに動作するコンピュータシステム」で、第二次AIブームの「知識表現の時代」で活躍した仕組みとなる。

2について
これは書いてる通り。
汎用人工知能≒強いAI
特化型人工知能≒弱いAI

と覚えておけば良い。

3について
「人間のように考えるコンピュータ」が「汎用人工知能」であり、「強いAI」となる。
「1について」でも記載したが、これはまだ存在しない。
第3次人工知能ブームでも「特化型人工知能」「弱いAI」の状態

4について
これは書いている通り。
ILSVRC2015にて、Microsoft ResearchのResNetが
人間の識別精度のエラー率である5.1%を下回り、
エラー率3.6%という数値を出している。

まとめ

  • 最初の方がディープラーニングの技術的な話より、歴史的な話が多い。
  • 書いてあることが正しいかどうかに加えて、何について聞いているのかを認識していないと誤答しやすい。
  • 汎用人工知能≒強いAI、特化型人工知能≒弱いAIは覚えておいた方が良い。

G検定対策のまとめ記事はこちら。

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