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はじめに
前回は、フーリエの積分公式からのフーリエ変換とフーリエ逆変換の定義を抽出する話をした。
フーリエの積分公式自体が「とある関数を畳み込み積分を経ても同じ関数に戻せる」と証明されているものであるため、自然と逆変換も成立するという理屈になる。
ただ、このフーリエの積分公式からのフーリエ変換の取り出し方で若干数式が揺らぎ、バリエーションが発生することも…。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
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エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
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【再掲】フーリエ変換とフーリエ逆変換
まずは、前回のフーリエ変換とフーリエ逆変換の式を再掲しておこう。
フーリエ変換
\(\displaystyle F(\omega)=\int^{\infty}_{-\infty} f(t)e^{-i\omega t}dt \)
逆フーリエ変換
\(\displaystyle f(x)=\frac{1}{2\pi}\int^{\infty}_{-\infty}F(\omega)e^{i\omega x}d\omega \)
ホント、数式だけ見ても何してるかはわからん。
まぁ数式自体は今回に於いてはさほど重要じゃないので、
こんな雰囲気ってことだけ覚えておけば良いよ。
これから話すバリエーションの話の方が使用する上では重要なんで。
そのバリエーションの話を教えてもらおうか。
(態度デカいな・・・。)
フーリエ変換とフーリエ逆変換のバリエーション
実はバリエーションも2種類のバリエーションがある。
は?
つまりバリエーションのバリエーション?
まぁ妙な言い方だけど、その通りだね。
最初に説明しようと思ってるのが角周波数表現と周波数表現によるバリエーション。
その次が、数式対称性によるバリエーションだな。
・・・。
じゃー、まず「角周波数表現と周波数表現によるバリエーション」って方を聞こうかな・・・。
角周波数表現と周波数表現によるバリエーション
角周波数表現の方は先ほど再掲した式がそれに該当する。
よって、ここでは記載は省略して、周波数表現の式を以下に示す。
フーリエ変換
\(\displaystyle F(k)=\int^{\infty}_{-\infty} f(t)e^{-2\pi ikt}dt \)
逆フーリエ変換
\(\displaystyle f(x)=\frac{1}{2\pi}\int^{\infty}_{-\infty}F(k)e^{2\pi ikx}dk\)
うーん?
\(\omega\)が消えて・・・\(2\pi k\)ってのが増えた???
正解。
これは単純な話で、
角周波数\(\omega\)を周波数\(k\)に変換しただけだ。
本来、周波数はだいたい\(f\)と表現されることの方が多いんだけど、それだと関数の\(f\)とぶつかるんで、\(k\)にしてあるって感じだな。
角周波数\(\omega\)と周波数\(k\)の関係は以下。
\(\omega=2\pi k\)
あ、なるほど。
単純にこの式を代入しただけなのね。
そうそう。
ところで、角周波数と周波数の差がわからないんだけど?
数式上の話じゃなくて、「具体的にこんな感じ」ってレベルの。
なるほど。
確かにそこら辺はわかりにくいのは理解できる。
それぞれWikipediaから引用しよう。
角周波数(かくしゅうはすう、英: angular frequency;角振動数、円振動数とも)は、物理学(特に力学や電気工学)において、回転速度を表すスカラー量。角周波数は、ベクトル量である角速度の大きさにあたる\(\displaystyle \omega =|{\vec {\omega }}|\)。角周波数の次元は角度が無次元量であるため \(T^{-1}\) であり、国際単位系では、ラジアン毎秒の単位で表される。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%92%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0)
周波数(しゅうはすう、英:frequency)とは、工学、特に電気工学・電波工学や音響工学などにおいて、波動や振動が、単位時間当たりに繰り返される回数のことである。周波数は周期の逆数であり、単位は「ヘルツ」 (Hz) が使われる。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0)
周波数は1秒間の振動数だから分かり易かったけど。
あー、角周波数は角速度のスカラー量なのね。
じゃー、次回は数式対称性によるバリエーションの話だな。
まとめ
まとめだよ。
- フーリエ変換とフーリエ逆変換のバリエーション自体もバリエーションがある。
- 角周波数表現と周波数表現によるバリエーション。
- 数式対称性によるバリエーション。
- 角周波数表現は前回&今回再掲したもの。
- 周波数表現は角周波数を単純に周波数の式を代入したもの。
- 角周波数は角速度のスカラー量。
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