【ASAM】最小構成のMBD事例 第2章 その277【MDF⑥】

【ASAM】最小構成のMBD事例 第2章 その277【MDF⑥】 事例
【ASAM】最小構成のMBD事例 第2章 その277【MDF⑥】

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https://www.simulationroom999.com/blog/model-based-of-minimum-2-backnumber/

はじめに

前回はMDF仕様単体の有用性として以下を確認した。

  • 計測生値以外の情報も格納されている。
  • 異なるファイルとの同期を取り易い構造になっている。

これらは「MDF仕様単体の有用性」ということなので、
つまりは「MDF仕様単体以外の有用性」もあるって理屈にはなる。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

MDF仕様単体以外の有用性

太郎くん
太郎くん

そういえば、前回の最後に
「と、ここまでがMDF仕様単体としての有用性だな。(キリッ)」
って言ってたけど、これはつまりMDF仕様単体以外の有用性もあるってことなのかな?

フクさん
フクさん

(うーん「(キリッ)」ってのは入ってなかったと思うんだけどなぁ)

フクさん
フクさん

まぁ他の仕様との関連性に於いての有用性があるってことだな。

太郎くん
太郎くん

他の仕様?

フクさん
フクさん

例えば・・・。
これもASAM仕様の一つなんだけど
ODS(Open Data Service)というものがある。

ASAM ODS(Open Data Service)

太郎くん
太郎くん

ODS(Open Data Service)?
これまた特徴の無い名前だなー。

フクさん
フクさん

ODSの詳細はASAMの公式を参照した方が早いな。

太郎くん
太郎くん

またまた英語かー。
要約よろー。

フクさん
フクさん

(機械翻訳で良いからちゃんと読んでよ・・・。)

フクさん
フクさん

ざっと要約すると・・・。

  • 車両やそれに内包されるコンポーネントのテスト自動化にあたり、表現の曖昧性に課題があった。
  • よって、データ管理にあたっての標準化が必要となった。
  • 標準化すべき大項目は以下。
    • どこにどのような計測データがあるのか。
    • 何を対象にテストしたのか。
    • 何を使用してテストしたのか。
    • どのテストが実施されたのか
    • テストの目的は何か。
    • 誰がテストしたか。
    • いつテストしたか。
太郎くん
太郎くん

ざっくり言うとテスト管理のパラメータの標準化ってことになるのかな?

フクさん
フクさん

そうだね。
パラメータの標準化なので、データモデルが定義されることになる。
ASAM公式から持ってきた画像になるが、以下のようなデータモデルが定義されている。

ASAM ODSデータモデル、AoTest  AoSubTestAoMeasurement 測定値と対応する入力/出力データを整理するために使用されます。AoSubmatrix  AoLocalColumn テスト結果が保存される基本要素です。AoQuantityAoQuantityGroup データベースに保持されているテストの一部またはすべてに関連する可能性のある物理量に関する情報を保持するために使用されます。AoMeasurementQuantity 測定に使用される数量を表します。AoUnit  AoUnitGroup  AoPhysicalDimension 結果値(単純な数値)と対応する単位の間の関係に関する情報を保持するために使用されます。これにより、正しい算術演算または関係演算が可能になります。AoUnitUnderTest  AoUnitUnderTestPart テストされたものに関する情報が含まれています。AoTestEquipmentAoTestEquipmentPart 使用された機器に関する情報が含まれています。AoTestSequenceAoTestSequencePart テスト中に処理された一連のステップに関する情報が含まれています。AoTestDevice 使用されたテストデバイスに関する情報が含まれています。AoUserAoUserGroup セキュリティの側面を処理するために使用される基本要素です。AoLog ロギングの目的で使用されます。AoParameter、  AoParameterSet たとえば、複数の要素で一度だけ使用される情報を保存することにより、冗長性を回避するために使用できます。AoNameMap、AoAttributeMap 異なる言語の名前など、アプリケーション要素のエイリアス名を保持します。 アプリケーション属性のエイリアス名を指定します。AoAny 特定の意味を持たない基本要素であり、他の基本要素の意味に適合しない情報を格納するために使用される場合があります。
ASAM公式のODSページより引用(https://www.asam.net/standards/detail/ods/wiki/)

MDFとODSの関連性

太郎くん
太郎くん

で、このODSがMDFとどう関係するの?

フクさん
フクさん

先ほどのデータモデルの画像の中のMEASURMENTS領域DIMENSION&UNIT領域がMDFと関係する。
これらはMDFが内包しているデータとおおよそ一致するんだよね。

太郎くん
太郎くん

おー、ということはMDFをimportする機能もあったり?

フクさん
フクさん

仕様としては定義されていないのだけど、自動車業界としては何とかimportできるように動いてるようだね。
ただ、MDFとODS自体は全く異なる文化で育ってきた仕様なんで中々単純には行かないようだ。

太郎くん
太郎くん

ほう?
なんかそういう他人が困ってる系の話はもうちょっといろいろ聞きたいな。

フクさん
フクさん

(「他人の不幸は密の味」ってやつだな)

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • MDF仕様単体以外の有用性としてASAM ODSとの連携がある。
  • ASAM ODSはテスト自動化にあたり、表現の曖昧性に課題とした仕様。
    • ざっくり言うと「テスト管理のパラメータの標準化」。
  • ASAM ODSの中のMEASURMENTS領域とDIMENSION&UNIT領域がMDFと関係する。

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