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はじめに
前回、吸気流量から基本目標噴射量算出が実施される話をした。
吸気流量はスロットルによって制御されている。
そのスロットルの開度を示しているのがスロットルポジションセンサとなる。
スロットルポジションセンサ概要
スロットルボディと一体になっている。
大概2系統以上あり、センサ異常を検知した際はもう片方のセンサ入力値で制御を行う。
\(0[V]~5[V]\)に対して\(0.04^{-1}[V/deg]\)でリニア特性であることが多い。
\(P_{th}\):スロットルポジション\([deg]\)
\(E_{th}\):スロットルポジションセンサ出力\([V]\)
$$P_{th}[deg]=E_{th}[V]×25[deg/V]$$
外部診断機とストットルポジション
PID (hex) | Data bytes returned | Description | Min value | Max value | Units | Formula |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 1 | Throttle position | 0 | 100 | % | A*100/255 |
45 | 1 | Relative throttle position | 0 | 100 | % | A*100/255 |
47 | 1 | Absolute throttle position B | 0 | 100 | % | A*100/255 |
48 | 1 | Absolute throttle position C | 0 | 100 | % | A*100/255 |
主制御に用いるものはPID$11。
他の系統はPID$45,$47で応答する。
これらからもスロットルはエンジン制御においてかなり重要なデバイスであるため、スロットルセンサ多重化が一般的であることがわかる。
単位は\(\%\)となっているが、PID$45 Relative throttle position以外はすべて入力最大電圧レンジに(\(5[V]\)など)に対しての割合となる。
また、クロス特性(\(5[V]\)時に全閉、\(0[V]\)時に全開)のセンサは全開時を\(5[V]\)と読み直した際の割合とする必要がある。
つまり\(0[\%]\)方向が閉、\(100[\%]\)方向が開の性質を維持させる。
PID$45 Relative throttle positionはスロットルの全閉時(\(0[deg]\))全開時の角度(\(90[deg]\))に対しての割合なる。
0点補正などをしている場合は学習0点を\(0[deg]\)とする。
開度\([%]\)を入力電圧から出していることは、世の中のスロットルセンサの特性がリニアなタイプが多いこと示唆している。
まとめ
- スロットルポジションセンサはリニアな特性のセンサであることがほとんどである。
- 重要なセンサであるため、多重化していることが多い。