【Dcm】車両診断通信 その65【シミュレーション③】

【Dcm】車両診断通信 その65【シミュレーション③】 車両診断通信
【Dcm】車両診断通信 その65【シミュレーション③】

バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/diagnostic-communication-backnumber/

はじめに

AUTOSAR-Dcmのインターフェースの話。
図解して、さらにサブモジュールに分解。

登場人物

博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

AUTOSAR-Dcm インターフェース仕様図解

フクさん
フクさん

よし!
頑張って図解資料作った!

太郎くん
太郎くん

では早速見せたまえ。

フクさん
フクさん

(この態度は・・・。)

フクさん
フクさん

とりあえず、こんなイメージ。

周期呼び出し、Dcm、Autosar、Dcm_MainFunction、Dsp、Dsd、Dsl、受信バッファ、送信バッファ、CanTp_MainFunction、CanTp、PDU、イベントフロー、データフロー
太郎くん
太郎くん

真ん中のPduRouterってのは?

フクさん
フクさん

本来であれば、configuratorが生成する部分なんだけど、
今回は自分たちで頑張って辻褄合わせのために実装する部分。

太郎くん
太郎くん

なるほど・・・。
DcmとCanTpのそれぞれのインターフェースの辻褄を合わせる感じか・・・。

AUTOSAR-Dcmの通信用バッファ

太郎くん
太郎くん

一個気になったんだけど、
送信にしても、受信にしても通信用のバッファってDcmが管理する感じなの?

フクさん
フクさん

そうだよ。

太郎くん
太郎くん

うーん、各レイヤごとに管理した方が分かり易くない?

フクさん
フクさん

メモリリソースが潤沢且つコピー処理のオーバーヘッドが無視できるレベルならば
そういう実装の方が良いだろうね。

太郎くん
太郎くん

あ、そうか。
ECUに実装されるものだからメモリリソースは必要最小限
コピーも必要最小限な方が良いのか・・・。

フクさん
フクさん

省メモリ省コピーな設計実装方針という言われ方はするね。

太郎くん
太郎くん

AUTOSAR仕様もそれを踏襲しているわけなんだねー。

AUTOSAR-Dcmの内部構成

太郎くん
太郎くん

良く見るとAUTOSAR-Dcmの中も分割されてるね?
dslとdsdとdsp?
なんかの略称?

フクさん
フクさん

うん。
以下の略号。

  • dslDiagnostic Session Layer
  • dsdDiagnostic Service Dispatcher
  • dspDiagnostic Service Processing
太郎くん
太郎くん

それぞれの役割とかはどうなってるの?

フクさん
フクさん

表にまとめたよ。

ModuleFormal nameDescription
dslDiagnostic Session Layerタイミングハンドリングと特殊なレスポンスの振る舞い。
dsdDiagnostic Service Dispatcher各サービスへの処理割り振り(セッション、セキュリティによる判定含む)
dspDiagnostic Service Processing各サービスの実際の処理とアプリ―ケーション層への要求。
太郎くん
太郎くん

タイミングハンドリングってP2時間とか?

フクさん
フクさん

P2*時間、S3時間も含まれるね。

太郎くん
太郎くん

dsdが各サービスへの振り分けをするんだけど、
実際はセッション別にサポートしているサービスが違ったり
セキュリティでロックが掛かってることがあるからここで判定するんだね。

太郎くん
太郎くん

そして、dspが実際のサービス別の処理なんだけど、
処理自体が他の機能が持ってる情報へのアクセスなことが多いから
そこらへんをうまく取りまとめる役割って感じかな。

フクさん
フクさん

いいねー。
バッチリだよ!

フクさん
フクさん

まぁこれらの振る舞いを決定づけるコンフィグレーションが厄介なんだけどねー。

太郎くん
太郎くん

それは自分で言っててなんとなくそんな気がしたよ。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • AUTOSAR-Dcmのインターフェース仕様図解した。
    • 通信用のバッファはAUTOSAR-Dcm管理で、省メモリ省コピー型の設計実装になっている。
  • AUTOSAR-Dcmの中は3つのサブモジュールで形成されている。
    • dsl:Diagnostic Session Layer。
    • dsd:Diagnostic Service Dispatcher。
    • dsp:Diagnostic Service Processing。

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