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はじめに
自動車には診断通信機能というものが備わっている。
それについて語っていくシリーズもの。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
恒例の丸投げ
で、フクさん。
早速なんだけど、車両診断通信について教えて。
すごく唐突だな。
また上司に丸投げくらったか。
まぁ恒例の流れだよねぇ。
もはや慣れた。
それに巻き込まれるのも慣れた。
ま、とりあえず経緯からよろしく。
はいよ。
車両診断通信について教えて欲しいという事態になった経緯
顧客:「最近あたらしいECUを開発中なのですが、完成車メーカからいろいろと要件を突き付けられて困ってるんですよ。」
上司:「ほう。弊社ならなんでも受けられますよ!」
顧客:「いつもすみませんねぇ。御社は車両診断通信は明るい方ですか?」
上司:「診断?あー車両診断通信はバッチリですよ!」
(顧客はどうバッチリなのか具体的に聞いた方いいぞ。)
顧客:「それは良かった!ECUの機能を切り出す際に車両診断通信機能が一番分離しやすいのですよ。」
上司:「そ、そうなんですか?」
顧客:「車両診断通信機能の部分を全部お任せしたいと思っています。」
上司:「それはもう任せてください!」
(ダメだ。任せてはダメだ。)
上司:「よし太郎。車両診断通信だ。切り出しやすいからな。受注もしやすいぞ。」
太郎くん:「車両診断通信ってなんですか?非破壊検査みたいなやつですか?」
上司:「そんなことも知らないのか。でも自分で調べるんだぞ。」
(一度、断ってしまっても良いのでは?)
というわけで診断通信教えて。
だが、断る!
なんでよー!
ググればいいじゃない。
ググったけど分からなかったから聞いているのに!
「車両診断通信」でググって先頭に来たのでわかりやすいのあるじゃん。
Vector社の「はじめての診断」
それは見たけど。
じゃ、これで解決ってことで。
いやいや、概要的なことはわかったけど、
「じゃあ実際にどうするの」ってことになるとさっぱりなんだよ!
まぁそれはそうかもしれないけど。
車両診断通信
わかった。
協力しよう
ありがとー!
一応、概要は調べたっぽいけど、復習の意味も込めておさらいしてみよう。
ちょっと簡単に説明してみて。
僕の認識だとこんな感じかな。
- オフボードテスタってので車両情報を収集できる。
- 各種センサ値。
- 各種アクチュエータ。
- 通信回線はK-LINE、CANなどあるが、CANが主流。
- CANの場合はDoCAN(Diagnostic over CAN)と呼ばれる。
- 規格としてISO15765-2。
- CANの場合はDoCAN(Diagnostic over CAN)と呼ばれる。
- ISO14229-1ってのにいろいろなサービスが定義されている。
- 車両情報取得
- 故障情報取得と消去
- リプログラミング(FlashROMの書き換え)
一応ちゃんと調べられそうなところは調べられている感じかな。
で、ここでどんづまってしまって途方に暮れてた状態。
規格(ISO15765-2、ISO14229-1)の要否
規格が出てきたけど、その規格書は入手しているの?
あ、やっぱり入手しないとだめ?
持ってた方が良いかな。
基本的には各完成車メーカから要件としてくることは多いんだけど、
中には「ISO15765-2に準拠すること」という一言で片付けられるパターンもあるし。
それに、具体的にどうするか悩んでいるってことは仕様書とかも貰えてないんじゃない?
その通り!
というか、上司が「バッチリです!」とか「任せてください!」とか言った手前いろいろ聞くのもまずいんだよねぇ。
まぁ「バッチリです!」とか言っておいて、すごく初歩的に質問とかしちゃうと気まずいもんね。
でも、この際だからぶっちゃけるってのも手だとは思うよ。
最悪、そうするつもり。
でも、フクさんの説明でわかるようであれば、
そっちの方が良いかなーって。
まぁ、
出来そうと判断できれば良し。
出来なそうだったら顧客に泣きつく。
って感じだね。
というわけで、よろしく!
まとめ
まとめだよ。
- 車両診断通信の概要情報はググればOK。
- 代表的な規格はISO15765-2とISO14229-1。
- 完成車メーカの方針によっては具体的な要件ではなく、規格番号が要件ということもある。
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