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はじめに
前回までSimulinkモデルに関する話はおおよそ終了。
今回からはそれをどう流用していくかの話へシフト。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
インターフェース仕様変更?
た、大変だーーー!!
ど、どうしたの?!
やばい!やばい!やばい!
ちょ、落ち着きなって!
~太郎くんが我に返るまでに10分~
APコントローラのインターフェース仕様が変わった・・・。
それはもう開発の前提がひっくり返ったんで無理ですってお断り方向かな。
僕もそう言ったんだよ!
そしたら上司が、
「あー、インターフェースが変わるだけで内部のロジックは変わらないんですね。だったら現状の成果物を流用できますし、なんとかなりますよ。はははは!」
「はははは!」じゃねーYO!!
(すげー。超キレてる。)
というわけで助けて。
(すげー。超切り替え早い。)
インターフェースはCANに変更
で、
具体的にどういうインターフェースに変わったの?
CANっていう車載ネットワークらしいんだけど。
あー、CANね。
当然、ハードウェアは作り直し。
まぁその点は元請けもエンドの方も了承しているんだけど、
一点厄介な要求が・・・。
なに?
CANのシミュレーション要求
顧客「実際のハードウェアが遅れることはOKだが、こっちも並行して開発を進めている。
よって、疑似的な環境で良いのでCANでシミュレーションしたものを今回の納品物とする。」
上司「は、はい!!それは当然対応させて頂きますぅ!。」
だって。
(く、腐ってやがる。)
要は、
疑似的に同様のアルゴリズムで制御情報をCANで送受信する環境を別に構築しないといけないと。
その通り!
なんか裏技とか必殺技とかない?
(必殺技?上司を必殺するのかな?)
CANシミュレーションの対応方法
まぁ有ると言えばあるね。
それを教えて!
CANのシミュレーションをすれば良いから、CANインターフェースを持ったラピッドコントローラを買ってくるってのが一般的だね。
ラピッドコントローラかぁ。
聞いたことあるけど、簡単に使えそう?
あと値段とかは?
上司からは
「200万円くらいまでだったらなんか買って良いよ」
とは言われているけど。
200万円かー。
ちょっと厳しいな。
ラピッドコントローラだと300万円は欲しいところかも。
じゃーもう一個の案として、
車載ネットワークシミュレータあたりを落としどころにするか。
車載ネットワークシミュレータ?
具体的にはどういうもの?
まぁ有名どころというか、
環境構築までの時間を考えると、
ほぼこれ一択になるんだけど。
うんうん。
Vector社のCANoeだな。
!?!。
実企業名と実製品名が出た!?
もしや今回は企業案件なのか?!
いや、別に企業案件とかじゃないよ。
Vector社からは1円も貰ってない。
私は単なる1ユーザに過ぎない。
でも、CANoeってCANの回線をモニタするツールじゃないの?
CAN回線モニタはCANoeの一機能だな。
CAN回線モニタだけしたいならば、CANalyzerって製品の方が費用的には良いかもね。
んー、
CANoeはCANalyzerの上位版って感じ?
うーん。
ちょっとそこは分からないな。
CANoeはネットワークシミュレーションを目的にしていて、
CANalyzerはネットワーク解析とちょっとしたテスト用のアクションを目的にしている印象。
機能的にはCANoeの方が上位である傾向はあるかな。
んで、
今回のシミュレーションとかは普通にできそう?
うん。
SimulinkモデルをCANoeに組み込んだりも出来るんで、
今回の件にはすごく向いてるんじゃないかな。
分かった。
実際の構築作業は次回として、
ちょっといろいろ調べながら必要なものを手配するよ。
まとめ
まとめだよ。
- 制御とインターフェースを分けたことで、インターフェースだけを差し替えるということは可能。
- だたし、簡単かどうかは別問題。
- Simulinkモデルがあればラピッドコントローラで疑似的なECUを作ることは可能。
- CANに限定するならば、車載ネットワークシミュレータを使用することも可能。
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