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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その73【複素フーリエ級数⑤】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その74【複素フーリエ級数⑥】
を書き直したもの。
前回は、「虚数で割ることと負の虚数を掛けることが同一」について証明。
今回から複素フーリエ級数を導出する。
【再掲】複素フーリエ級数に至る道
まずは複素フーリエ級数に至る道を再掲。
- テイラー級数
- マクローリン級数
- 指数関数のマクローリン展開
- cos(x)のマクローリン展開
- sin(x)のマクローリン展開
- オイラーの公式
- 複素フーリエ級数
さらに、複素フーリエ級数を導出するステップも再掲。
- オイラーの公式とそれの変形の式を元にcos関数、sin関数を複素指数関数で表現する。
- 実数フーリエ級数のcos関数、sin関数に上記を代入する。
- 代入した上で頑張って最適化する。
- Σの下限を\(-\infty\)、上限を\(\infty\)にする。
今回から複素フーリエ級数を導出する。
「代入した上で頑張って最適化する。」の部分に該当。
【再掲】フーリエ級数とsin,cosを複素指数関数で表現する公式
まずはフーリエ級数を再掲
\(
\displaystyle f(x)=\frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^\infty\{a_n\cos(nx)+b_n\sin(nx)\}
\)
そして、sin,cosを複素指数関数で表現する公式
\(
\begin{eqnarray}
\begin{cases}
\displaystyle\cos(x)=\frac{e^{ix}+e^{-ix}}{2} \\
\displaystyle\sin(x)=\frac{e^{ix}-e^{-ix}}{2i} \\
\end{cases}
\end{eqnarray}
\)
これらを組み合わせて複素フーリエ級数にするって感じになる。
まずは代入してみる。
まずは単純に代入して、いい感じに最適化を試みる。
\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle
f(x) &=& \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty} (a_n \cos(nx) + b_n \sin(nx)) \\
&=& \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty} \left( a_n \frac{e^{inx} + e^{-inx}}{2} + b_n \frac{e^{inx} – e^{-inx}}{2i}\right) \dots(単純に代入)\\
&=& \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty}\left( \frac{a_n e^{inx}}{2} + \frac{a_n e^{-inx}}{2}+\frac{b_n e^{inx}}{2i}-\frac{b_n e^{-inx}}{2i}\right)\\
&=& \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty}\left( \frac{a_n e^{inx}}{2} + \frac{a_n e^{-inx}}{2}-b_n\frac{e^{inx}}{2}+\frac{b_n e^{-inx}}{2i}\right)\dots(iで割ることは-iを掛けること)\\
&=&\frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^\infty e^{inx}\frac{a_n-i b_n}{2}+\sum_{n=1}^\infty e^{-inx}\frac{a_n+i b_n}{2}
\end{eqnarray}
\)
ここでも、「虚数で割ることが負の虚数を掛けることが同一」って理屈を使う。
だいぶスッキリしたけど、まだ複素フーリエ級数ではない。
Σの式を変形?
先ほどの式で以下に着目する。
\(
\displaystyle \sum_{n=1}^\infty e^{-inx}
\)
いわゆる総和の式。
このΣの開始と終了のインデックスを以下に変更しても辻褄があう。
\(
\displaystyle \sum_{n=1}^\infty e^{-inx}=\displaystyle \sum_{n=-1}^{-\infty} e^{inx}
\)
変数である\(x\)の極性をΣ側に持ってきた。
複素数の総和も変形?
似た発想で以下も可能。
\(
\displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n+i b_n}{2}=\displaystyle \sum_{n=-1}^{-\infty} \frac{a_n-i b_n}{2}
\)
この式自体は実は間違っている。
が、
前提として、フーリエ係数であるものとして見た場合、
\(a_n\)は偶関数\(\cos\)の係数であり、符号の影響は無い。
\(b_n\)は奇関数\(\sin\)の係数であり、符号の影響を増える。
この前提において、上記の式は成立する。
フーリエ係数だから、cos、sinを想定した前提を入れられるってことと思っておけばOK。
あとはこれらの組み合わせで複素フーリエ係数が導出できるはず。
まとめ
- 実数フーリエ級数にsin,cosを福祉指数関数で表現する公式を代入。
- ここでも「虚数で割ることが負の虚数を掛けることが同一」って理屈を使う。
- 変数の極性を入れ替えた上で、Σの極性を入れかえれば同じものとなる。
- フーリエ係数であることを前提とした場合、極性の特性を定められる。
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