MATLAB、Python、Scilab、Julia比較ページはこちら
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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その23【重要な極限値①】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その24【重要な極限値②】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第5章 その25【重要な極限値③】
を書き直したもの。
フーリエ係数に至る道。
今回は重要な極限値について説明。
【再掲】フーリエ係数に至る道
まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。
- 偶関数
- 奇関数
- 関数の内積
- 三角関数の加法定理
- 三角関数の積和公式
- 重要な極限値
- 三角関数の直交性
- フーリエ係数
今回は重要な極限値の説明になる。
重要な極限値とは?
重要な極限値だが、
以下の極限値のことを指している。
\(
\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin(x)}{x}
\)
\(x\)を限りなく\(0\)に近づけた場合の\(\sin(x)/x\)ってことだが、
\(sin(0)=0\)のため、\(0/0\)になって本来であれば不定値になるパターン。
単純に0を代入するとそうなるのだが、
そこで極限値であることが重要になってくる。
つまり、いきなり0を代入するのではないく、徐々に0に近づけていくと、
何かしらの値に収束することが期待できる。
円に接する三角形と扇形に着目する
これを解くには縁に接する三角形と扇形に着目する必要がある。
絵に描くとこのようになる。
絵にされても意味わからんかもしれないが、
確かに、この絵と先ほどの関数の直接的な関係性はない。
各図形の面積に着目すると以下の不等式が成立する。
\(
{\color{orange}三角形OAB}<{\color{green}扇形OAB}<{\color{blue}三角形OBC}
\)
成立するのは先ほどの絵を見るとわかるだろう。
さらに、それぞての面積を求める。
半径1の円に接しているので、底辺が1になっているのがポイント。
\(
\begin{eqnarray}
\displaystyle{\color{orange}三角形OAB}&=&底辺\times高さ\div2=\frac{1}{2}\sin(x)\\
\displaystyle{\color{green}扇形OAB}&=&\pi r^2\frac{x}{2\pi}=\frac{1}{2}x\\
\displaystyle{\color{blue}三角形OBC}&=&底辺\times高さ\div2=\frac{1}{2}\tan(x)
\end{eqnarray}
\)
一見すると面積とか求められない気もするが、
冷静にみれば、面積を求めるための情報は揃っている。
あとは、これらを利用して数式を変形していく。
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次のページから面積の不等式を最適化していく
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