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はじめに
フーリエ係数に至る道。
今回は偶関数と奇関数を利用した数学パズル。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】フーリエ係数に至る道
まずは、フーリエ係数に至る道を再掲。
- 偶関数
- 奇関数
- 関数の内積
- 三角関数の加法定理
- 三角関数の積和公式
- 重要な極限値
- 三角関数の直交性
- フーリエ係数
今回は偶関数と奇関数を利用した数学パズル。
数学パズル?
数学パズルとは何ぞや・・・。
以下の数式を解く話だな。
\(
\displaystyle\int_{-2}^2\Big(x^3\cos(2x)+\frac{1}{2}\Big)\sqrt{4-x^2}dx
\)
こんなん解けるかーーーー!!!!
偶関数と奇関数の特性を利用すると一撃で解ける。
(マジかよ・・・。)
大雑把な解き方
細かい数式を書いていくとアレルギーが出るかもしれないから、
まずは大雑把に雰囲気で解いてみよう。
(雰囲気で解けるんか・・・。)
まず、\(x^3\)と\(\cos(2x)\)に着目しよう。
\(x^3\)は奇関数。
\(\cos(2x)\)は偶関数。
つまり、\(x^3\cos(2x)\)は奇関数になる。
前回の話を加味するとそうなるね。
このまま奇関数で、2から-2の積分を考えるとどうなるか?
あ!奇関数で原点から同じ幅の定積分だから0になるのか!
でも、\(\sqrt{4-x^2}\)がかかるから、結果的に奇関数になるかはわからんな・・・。
もし、\(\sqrt{4-x^2}\)が偶関数なら奇関数になって消えてくれて助かるんだけど・・・。
結果から言うと、\(\sqrt{4-x^2}\)は半円の方程式と言うもので、偶関数になる。
三平方の定理から求められる方程式だな。
\(
\begin{eqnarray}
r^2&=&x^2+y^2\\
y&=&\sqrt{r^2-x^2}\\
y&=&\sqrt{4-x^2}=\sqrt{2^2-x^2}\\
\end{eqnarray}
\)
つまり、原点を中心とした半径2の半円を描く関数と言うことになる。
半円は線対称。つまり、偶関数になる。
まぁ、ここらへんの細かい話は後日説明しよう。
とすると、\(x^3\cos(2x)\sqrt{4-x^2}\)は奇関数だから0になるのか。
そうすると、残りはこれになるのか。
\(
\displaystyle\int_{-2}^2 \frac{1}{2}\sqrt{4-x^2}
\)
\(\sqrt{4-x^2}\)は偶関数だ。
つまり、-2から2の定積分は、0から2の定積分を2倍にしたものになる。
\(
\displaystyle\int_0^2 2 \frac{1}{2}\sqrt{4-x^2}=\int_0^2 \sqrt{4-x^2}
\)
あ、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)も消えた。
0から2の範囲の\(\sqrt{4-x^2}\)は半径2の円の四分円。
つまり、半径2の円の面積を4分の1にすればOK。
\(
\displaystyle\frac{\pi r^2}{4}
\)
\(r^2=4\)。
よって、
\(
\displaystyle\frac{\pi 4}{4}=\pi
\)
4も消えて\(\pi\)だけが残った!
これが、最初の定積分の解となる。
偶関数、奇関数ヤベェ!!!
まぁ、今回は雰囲気重視で解いたが、
これをもう少しまじめに解こう。
(いや、雰囲気だけでOKなんだが・・・。)
まとめ
まとめだよ。
- 偶関数、奇関数を駆使する数学パズルを実施。
- 細かいことは置いておいて、雰囲気のみでざっくり解説。
- 奇関数が確定すれば0にできる。
- 偶関数が確定すれば線対称を利用して積分範囲を半分にした上で2倍にすればOK。
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