バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/compare-matlabpythonscilabjulia4-backnumber/
はじめに
単純パーセプトロンに対する逆伝播についての話。
入力、出力が複数であるが故の連鎖律の事情のもう一つの考え方。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】入力、出力パターン
前回、入力と出力(ラベル)を一括で扱うことによる連鎖律のルートが分かれる話をしたが、
もう一つの考え方もある。
というわけで、入力、出力パターンを再掲しておく。
\(x_1\) | \(x_2\) | \(y\) |
---|---|---|
0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 0 |
1 | 0 | 0 |
1 | 1 | 1 |
まぁ、前回と同じくANDゲートだよね。
誤差関数の偏導関数
以前、誤差関数の偏導関数を以下と示した。
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial A}=A-Y
\)
確かにそんな感じだった。
しかし、これは学習が一つのデータしか入れない場合の式。
誤差関数は二乗和誤差関数なので、
本来であれば、総和であるΣが付く。
よって、偏導関数も本来であれば以下になる。
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial A}=\sum_{i=0}^n(a_i-y_i)
\)
まぁ、それが正しい姿ではありそうだね。
これを連鎖律に組み込む
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial A}=\sum_{i=0}^n(a_i-y_i)\cdot\sigma(Z)\{1-\sigma(Z)\}\cdot X
\)
あ、そうか。
Σで各連鎖律の総和を出すってことは前回の各ルートの連鎖律の合計を算出するのと同じことになるのか。
そうそう。
一応数式を書き出す、前回と同じものだな。
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial w_1}=
\frac{\partial E}{\partial a_1}\frac{\partial a_1}{\partial z_1}\frac{\partial z_1}{\partial w_1}
+\frac{\partial E}{\partial a_2}\frac{\partial a_2}{\partial z_2}\frac{\partial z_2}{\partial w_1}
+\frac{\partial E}{\partial a_3}\frac{\partial a_3}{\partial z_3}\frac{\partial z_3}{\partial w_1}
+\frac{\partial E}{\partial a_4}\frac{\partial a_4}{\partial z_4}\frac{\partial z_4}{\partial w_1}
\)
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial w_2}=
\frac{\partial E}{\partial a_1}\frac{\partial a_1}{\partial z_1}\frac{\partial z_1}{\partial w_2}
+\frac{\partial E}{\partial a_2}\frac{\partial a_2}{\partial z_2}\frac{\partial z_2}{\partial w_2}
+\frac{\partial E}{\partial a_3}\frac{\partial a_3}{\partial z_3}\frac{\partial z_3}{\partial w_2}
+\frac{\partial E}{\partial a_4}\frac{\partial a_4}{\partial z_4}\frac{\partial z_4}{\partial w_2}
\)
\(
\displaystyle\frac{\partial E}{\partial b}=
\frac{\partial E}{\partial a_1}\frac{\partial a_1}{\partial z_1}\frac{\partial z_1}{\partial b}
+\frac{\partial E}{\partial a_2}\frac{\partial a_2}{\partial z_2}\frac{\partial z_2}{\partial b}
+\frac{\partial E}{\partial a_3}\frac{\partial a_3}{\partial z_3}\frac{\partial z_3}{\partial b}
+\frac{\partial E}{\partial a_4}\frac{\partial a_4}{\partial z_4}\frac{\partial z_4}{\partial b}
\)
前回のがブロック図ベースの感覚的な捉え方で、
今回が数式ベースの理屈的な捉え方って感じか。
まぁ、どっちのアプローチが正しいかは良くわからないんだけどね。
結果的には同じものってことだな。
まとめ
まとめだよ。
- 入力、出力が複数であるが故の連鎖律の事情のもう一つの考え方。
- 誤差関数は二乗和誤差関数であり、本来であればΣが含まれる。
- よって、連鎖律にもΣが含まれる形を取ると前回と同一の数式が得られる。
バックナンバーはこちら。
Pythonで動かして学ぶ!あたらしい線形代数の教科書
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
ゼロからはじめるPID制御
OpenCVによる画像処理入門
恋する統計学[回帰分析入門(多変量解析1)] 恋する統計学[記述統計入門]
Pythonによる制御工学入門
理工系のための数学入門 ―微分方程式・ラプラス変換・フーリエ解析
コメント