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はじめに
連鎖律を把握するための解説。
今回は商の微分公式について。
登場人物
博識フクロウのフクさん
イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1
エンジニア歴8年の太郎くん
イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1
【再掲】連鎖律を把握するための知識
まずは、連鎖律を把握するための知識を再掲
- 逆数の微分公式(済)
- 積の微分公式(済)
- 商の微分公式
- シグモイド関数の導関数
- 多変量関数の連鎖律
- 勾配降下法
今回は、商の微分公式について。
商の微分公式
前々回の逆数の微分公式。
前回の積の微分公式。
今回の商の微分公式をこれら二つの合わせ技になる。
ということは欲しいのは商の微分公式ってことになるのかな?
そうそう。
シグモイド関数の導関数を求めるのに商の微分公式が必要。
商の微分公式を導出するのに逆数の微分公式と積の微分公式が必要。
って因果関係だ。
なるほど。
まずは、商の微分公式を確認。
\(
\displaystyle\bigg\{\frac{g(x)}{f(x)}\bigg\}^\prime=\frac{g\prime(x)f(x)-f\prime(x)g(x)}{\{f(x)\}^2}
\)
相変わらず意味わからんものから意味わからんものに変形されとる・・・。
商の微分公式の導出
先ほども言った通り、
商の微分公式は、逆数の微分公式と積の微分公式を使用する。
よって、逆数の微分公式と積の微分公式を再掲
逆数の微分公式
\(
\displaystyle\bigg\{\frac{1}{f(x)}\bigg\}^\prime=-\frac{f\prime(x)}{\{f(x)\}^2}
\)
積の微分公式
\(
\{f(x)g(x)\}\prime=g\prime(x)f(x)+f\prime(x)g(x)
\)
「商」は「逆数の積」ともいえる。
よって、以下の表現が可能だ。
\(
\displaystyle\frac{g(x)}{f(x)}=g(x)\cdot\frac{1}{f(x)}
\)
これはわかる。
商の微分公式は\(\displaystyle\bigg\{\frac{g(x)}{f(x)}\bigg\}^\prime\)を解きたいだけなので、以下で導出できる。
\(
\begin{eqnarray}
\bigg\{\frac{g(x)}{f(x)}\bigg\}^\prime&=&g(x)\prime\cdot\frac{1}{f(x)}-\bigg\{\frac{1}{f(x)}\bigg\}^\prime\cdot g(x)\dots(積の微分公式を適用)\\
&=&g\prime(x)\cdot\frac{1}{f(x)}-\frac{f\prime(x)}{\{f(x)\}^2}\cdot g(x)\dots(逆数の微分公式を適用)\\
&=&g\prime(x)\cdot\frac{f(x)}{\{f(x)\}^2}-\frac{f\prime(x)}{\{f(x)\}^2}\cdot g(x)\dots(分母をそろえる)\\
&=&\frac{g\prime(x)g(x)-f\prime(x)g(x)}{\{f(x)\}^2}
\end{eqnarray}
\)
なるほど。
確かに逆数の微分公式と積の微分公式を使ってるね。
これが分かってるとシグモイド関数の導関数が簡単に求まるようになる。
まとめ
まとめだよ。
- 商の微分方式の話。
- 逆数の微分公式と積の微分公式の合わせ技で導出。
- 商の微分方式はシグモイド関数の導関数導出で生きてくる。
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