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はじめに
の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その72【多変量多項式回帰分析(関数項)①】
を書き直したもの。
正規方程式を用いた、多変量多項式回帰分析(関数項あり)について。
多変量多項式回帰分析(関数項あり)
正規方程式で扱える回帰分析関連は大体やり切った感じとなる。
が、関数項を含んだ多項式などがまだ残っていたりする。
関数項は\(\sin,\cos,\exp\)みたいな関数を項としたもの。
具体的な数式
具体的な数式で書くと、以下のようなものになる。
\(
z=\alpha x^2+\beta\cos(6x)+\gamma y^2+\delta\exp(2y)+\epsilon
\)
これも重回帰分析のバリエーションの一つと言えるんだろう。
ただし、関数項の中の引数に使ってる係数は調整はできない。
※ \(\cos(6x)\)の中の\(6\)とか\(\exp(2y)\)の中の\(2\)のこと
これを求めようと思ったら勾配降下法みたいなのを使用するしかない。
勾配降下法も誤差を最小化する手法だが、正規方程式とはまた違った手法。
よって、今回は、正規方程式で扱える範囲のみとして、勾配降下法についてはこの場では対象外とする。
(その内扱うかもしれない。)
多変量多項式回帰分析(関数項あり)の二乗和誤差関数
上記の式を元に、二乗和誤差関数を定義すると以下になる。
\(
\displaystyle\sum_{i=1^n}\{\alpha x_i^2+\beta\cos(6x_i)+\gamma y_i^2+\delta\exp(2y_i)+\epsilon-z_i\}
\)
当然、別の関数項にしても良いし、項数を増やしても良い。
正規方程式の各成分の定義
\((Ax-b)^2\)で最小化問題を解く場合の各成分は以下になる。
\(
A=
\begin{bmatrix}
x_1^2 & \cos(6x_1) & y_1^2 & \exp(2y_1) &1\\
x_2^2 & \cos(6x_2) & y_2^2 & \exp(2y_2) &1\\
\vdots & \vdots & \vdots\\
x_n^2 & \cos(6x_n) & y_n^2 & \exp(2y_n) &1\\
\end{bmatrix},
\vec{x}=
\begin{bmatrix}
\alpha\\
\beta\\
\gamma\\
\delta\\
\epsilon\\
\end{bmatrix},
\vec{b}=
\begin{bmatrix}
z_1\\
z_2\\
\vdots\\
z_n
\end{bmatrix}
\)
これがどのようなグラフになるかは実際に演算したときのおたのしみで。
多変量多項式回帰分析(関数項あり)の実施
恒例の正規方程式再掲。
\(
x=(A^TA)^{-1}A^Tb
\)
確認の流れも恒例通り以下で。
- サンプリングデータの用意
- 正規方程式のパラメータへ成形
- 正規方程式で各係数算出
- サンプリングデータと求めらえた関数のプロット
今回も、多変量多項式(関数項あり)をベースに乱数で\(\pm 1\)を加えたものにする。
具体的な数式は以下とする。
\(
z=4x^2-5\cos(6x)+3y^2+\exp(2y)+2
\)
係数としては、\(4,-5,3,1,2\)に近い数値が求まればOK。
式が複雑だから、誤差の乗り方も大きくなるかもしれないが、おおよそ近い値にはなるだろう。
まとめ
- 正規方程式を使って多変量多項式回帰分析(関数項あり)を行う。
- 多変量多項式回帰分析(関数項あり)の二乗和誤差関数の定義。
- 正規方程式の各成分の定義。
- サンプリングデータは特定の多項式に±1の乱数を載せたものを使用。
- 特定の多変量多項式と近い係数が求まればOK。
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