【入門】状態空間モデル(DCモータ)【数値計算】

【入門】状態空間モデル(DCモータ)【数値計算】 数値計算
【入門】状態空間モデル(DCモータ)【数値計算】

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はじめに

の、
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その63【状態空間モデル㉑】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その64【状態空間モデル㉒】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その65【状態空間モデル㉓】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その66【状態空間モデル㉔】
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その67【状態空間モデル㉕】

を書き直したもの。

ニュートンの運動方程式を状態空間モデルで表現したが、
もう少し複雑度を引き上げた題材としてDCモータを選んだ。
同じように状態空間モデルで表現してみる。

DCモータの状態空間モデルをつくるにあたって。

以前の運動方程式でやった流れと基本的にはかわらない。
扱う数式やパラメータが増える程度。

導出の流れとしては以下となる。

  • 状態量の特定
  • 必要な微分方程式
  • 微分方程式の変形
  • 状態方程式の作成
  • 出力方程式の作成

状態量の特定

必要な状態量は回転角\(\theta(t)\)、角速度\(\omega(t)\)、電流\(I(t)\)。
電圧なども考えらえるが、電圧は状態ではなく入力とする。

式としては以下になる。

\(
\boldsymbol{x}=
\begin{bmatrix}
\theta(t) \\
\omega(t) \\
I(t)
\end{bmatrix}
\)

「どのパラメータを経由できれば、入力を元に欲しい出力が得られるか。」
を最初に考えることが重要。

必要な微分方程式(回転角度、角速度)

まずシンプルなところだと、
回転角度\(\theta(t)\)と角速度\(\omega(t)\)の関係性。
距離、速度の関係と同じく、1階微分の差があるだけとなる。

角度と角速度

\(
\dot{\theta}(t)=\omega(t)\dots(1)
\)

必要な微分方程式(角速度、電流)

角速度は電流から求められる。
トルク定数\(K\)とイナーシャ(慣性モーメント)\(J\)を元とする。
※ 今回はトルク定数と逆起電力定数は等しいものとして共に\(K\)とする。

角速度と電流

\(
\dot{\omega}(t)=\displaystyle \frac{K}{J}I(t)\dots(2)
\)

必要な微分方程式(電圧、電流)

あとは、入力が電圧とすると、そこからの電流を求めればOK。
オームの法則とキルヒホッフの第2法則を使う。

オームの法則(オームのほうそく、英語: Ohm’s law)とは、導電現象において、電気回路の部分に流れる電流とその両端の電位差の関係を主張する法則である。クーロンの法則とともに電気工学で最も重要な関係式の一つである。

Wikipedaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87)

電気回路におけるキルヒホッフの法則(キルヒホッフのほうそく、英: Kirchhoff’s Law)とは、次の2つの法則からなる。
・電流則(キルヒホッフの第1法則、Kirchhoff’s Current Law, KCL)
  回路網中の任意の接続点に流入する電流の和は 0(零)である
・電圧則(キルヒホッフの第2法則、Kirchhoff’s Voltage Law, KVL)
  回路網中の任意の閉路を一巡するとき、起電力の総和と電圧降下の総和は等しい

Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%92%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%95%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87_(%E9%9B%BB%E6%B0%97%E5%9B%9E%E8%B7%AF))

文章を見てもわからないかもしれないが、以下の考え方を使うのみ。

オームの法則

\(V=IR\)

キルヒホッフの第2法則(電源に対して直列に抵抗器がつなっがってる場合)

\(E(t)=R_1 I(t)+R_2 I(t)\)

そして、モータはコイルがあるので、
電気回路として見た場合、以下になる。

モータ等価回路に於けるキルヒホッフの第2法則

\(
E(t)=RI(t)+L\dot{I}(t)
\)

しかし、モータは回転すると逆起電力というものを発生させる
ここに関しての電圧は角速度\(\omega(t)\)と逆起電力定数\(K\)を掛けたものが該当する。

逆起電圧

\(
E_k=-K\omega(t)
\)

キルヒホッフの第2法則に則って電圧導出式の合体

先の式を合体させることで電圧と電流の関係式が出来る。
※ 合体と言ってもキルヒホッフの第2法則より、単純に足し合わせるのみ。(実際は引き算だけど)

\(
E(t)-K\omega(t)=RI(t)+L\dot{I}(t)
\)

電圧→電流の式に変形

先の式は電流から電圧を求める式になっているので
電圧から電流を求める式に変形する。
さらに欲しいのは状態量を1階微分したものであるため、
電流の1階微分が求まる式にする。

\(E(t)-K\omega(t)=RI(t)+L\dot{I}(t)\)
\(E(t)=K\omega(t)+RI(t)+L\dot{I}(t)\)
\(\dot{I}(t)=\displaystyle -\frac{K}{L}\omega(t)-\frac{R}{L}I(t)+\frac{1}{L}E(t)\dots(3)
\)

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